韓国環境部、自動車業界からエコカーのインフラへ投資を誘導するための制度を検討

韓国環境部は2019年8月末、「低公害自動車の普及目標制度」を達成しておらず、ペナルティが課される企業に対して、低公害自動車のインフラを建設するために投資した費用をベースに、ペナルティを相殺する制度を検討していると説明した。ただし、詳細な内容はまだ決まっておらず、現在関連する政府部署と協議中であると言及した。

現在、韓国では大気汚染物質の排出量が少ないエコ自動車を「低公害自動車」と規定し、さらに1~3種に分けて規制している。1種には、電気自動車、水素燃料電池自動車、太陽光自動車が該当しており、2種には、LPG自動車、ハイブリッド自動車、CNG車両と一般ガソリン自動車のうち、排ガスの排出量が少ない自動車が該当している。3種は、大気汚染物質の排出量が法令の基準を満たしている自動車と定義されている。

政府は2020年から自動車メーカーと輸入社に対し、低公害自動車の義務販売制度を適用する予定であり、具体的には年間低公害自動車の普及計画書の届出が義務付けられると共に、計画を達成できなかった場合、課徴金やペナルティが課されることが骨子である。

韓国国会は、首都圏のみ実施していた本制度を、全国に拡大するため、2018年3月に「大気環境保全法」を改定した。

環境部は、自動車メーカーに対して、全体販売量のうち一定比率を低公害自動車で販売することを義務付けると共に、達成できなかった分に対しては、1台当たり課徴金を課する方向でペナルティを検討している。現在、韓国自動車産業協会、韓国輸入自動車協会や自動車メーカーと共に、ペナルティの水準について論議を進めているという。

こうした状況の下、環境部は、企業が低公害自動車の販売義務量を達成できなかった場合でも、電気自動車と水素燃料電池自動車の充填所など、エコカーに関連するインフラへ投資をした場合、その投資額に基づいて課徴金を相殺する制度を検討している。環境部によると、例えば、低公害自動車1台当たり1000万ウォン(約90万円)の課徴金が課されるとすると、300台ほど計画を達成できなかった場合、30億ウォン(約2億7000万円)水準の水素充填機を建設すれば、ペナルティが相殺される形であるという。

環境部は、ペナルティで課徴金を支払うと損であるが、充填機を設置すると、会社の資産になり得ると説明した。また、年間義務販売量を超過して達成した実績に関しては、翌年度に繰越すことができるよう、規定を検討していると述べた。

環境部は、具体的な事項が確定次第、「大気環境保全法」を改定する計画である。