伊新政府がEV普及強化へ、6000ユーロの補助金支給、ガソリン車には追加課税

 電気自動車(EV)の導入が欧州で遅れているイタリアが、普及台数を2022年に100万台にする計画を立て、各種のインセンティブ政策を定めようとしている。

 

 2018年に6月に発足イタリア新政権は、電気自動車(EV)の普及台数を2022年に100万台に拡大する目標を立てており、現在、EV及びハイブリッド車の購入補助金の導入をめぐり議会で審議が行われている。補助金制度は、2019年3月1日から2021年末までの期限付きで、6000ユーロ(約75万円)を支給するが、購入価格が5万ユーロ(約624万円)を上回る場合は対象外となるという内容である。従って、テスラ社の「モデルS」、「モデルX」及び「モデル3」は補助金の対象外となる見通し。

 

 他方、ディーゼル及びガソリン車に対しては、追加課税が行われる見通しである。課税の対象となるのはスポーツ用多目的車(SUV)でコンパクトカーは対象にならない。具体的には、1km走行あたりのCO2排出量が161~175gのガソリン・ディーゼル車を購入する際に1100ユーロ(約13万7000円)が、176~200gの場合には1600ユーロ(約20万円)、201~250gの場合には2000ユーロ(約25万円)、250gを超える場合には2500ユーロ(約31万2000円)がそれぞれ課税される。ただし、自動車産業界は雇用削減をもたらす措置であるとして、反発を高めている。また、連立政権内でも意見の食い違いがあり、極右「同盟」は課税に反対しているが「五つ星運動」は積極導入すべきであるとの立場をとっている。

 

 なお、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は、2019年~2021年の期間でEV及びハイブリッド車の開発を焦点に50億ユーロ(約6235億円)を投資すると発表している。