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国際エネルギー機関(IEA)の取り組み

世界各国の原油やエネルギー分野に関連する情報の収集、分析、多国間の取り組みの調整や政策提言などを行っている国際組織、国際エネルギー機関(IEA)では、電気自動車等の分野でも様々な形で活動している。

 

1.電気自動車イニシアチブ(Electric Vehicle Initiative, EVI)

 

EVIは、「クリーンエネルギー閣僚会議(CEM)」と呼ばれる世界主要各国のエネルギー相ハイレベル閣僚会合のもとで発足したイニシアチブである。本報告時点で次の13か国がEVIに参加している。

カナダ チリ
中国 フィンランド
フランス ドイツ
インド 日本
オランダ ニュージーランド
ノルウェー スウェーデン
英国

EVIのもとで様々な取り組みが行われている。

 

EV30@30

2017年6月のCEM第8回会合のもとで発足したキャンペーンで、2030年までに電気自動車販売比率を30%にするという目標を達成するためにEV普及を加速させていくというもの。報告時点で11の国と29の企業及び組織が参加している。各参加国は自国での取り組みについてIEAに報告することとなっている。

 

実施アクション:

  • 充電設備の配備およびその増加傾向の追跡把握
    • 気候グループの取り組みEV100とも連携を図り、充電インフラネットワーク拡充に取り組む。特に情報交換、ベストプラクティスについての情報共有を通じてEV100と協力する。
  • 公共セクターおよび民間セクターのEV採用に関するコミットメントを刺激する
  • 政策調査および情報交換のスケールを拡大する
  • トレーニングおよびキャパシティ・ビルディングを通じて、政策支援および技術的な支援の必要性に応じ、各国政府を支援する
  • 「グローバルEVパイロット都市プログラム」を創設し、今後5年(~2022年頃)でEVフレンドリーな都市を100都市以上とする
    • 2018年5月の第9次CEM会合にて同プログラム(EVI-PCP)発足。
    • 5年間でEVフレンドリー都市を100都市以上のネットワークを構築する。

 

このキャンペーンについての文書には、参加国および参加組織の公約(コミットメント)がそれぞれ掲載されている。

Source:IEA

EV30@30 Campaign Document
https://iea.blob.core.windows.net/assets/a7571ce8-70dd-43a8-9ed7-915cb05fc638/3030CampaignDocumentFinal.pdf (2019/12/07 Access)
※12/4~6の間にIEAのウェブサイトが改修された模様。

 

グローバルEVパイロット都市プログラム(EVI-PCP)

 

上述のEV30@30に基づいて、2018年5月の第9次CEM会合に発足したプログラム。5年間でEVフレンドリー都市を100都市以上のネットワークを構築することを目標に掲げている。

 

プログラムに参加することで得られるメリット:

  • 世界主要都市の交通の電動化に取り組む担当者(practitionaers)に、アクセスでき、知見やベストプラクティス、教訓などの情報を共有できる。
  • 各国のEV関連政策に責任を有する当局の担当者と相互に交流でき、地方と国レベルの間の共同アクションの在り方などについて情報を得ることができる など

 

Source:IEA

Global EV Pilot City Programme
https://www.iea.org/news/global-ev-pilot-city-programme-launched-at-clean-energy-ministerial (2019/12/07 Access) ※12/4~6の間にIEAのウェブサイトが改修された模様。

 

政府フリート宣言

 

2016年11月に主要8か国によって署名がなされた宣言で、政府所有のフリートの電動化の割合を増大させていくこと、ならびに他の政府へ取り組みに参加するよう呼びかけることなどを盛り込んだ宣言となっている。

カナダ 中国
フランス 日本
ノルウェー スウェーデン
英国 米国

Source:IEA

Government Fleet Declaration
https://iea.blob.core.windows.net/assets/e7dc869b-ca7b-4659-a7c4-1b8360189a5b/EVI_Government_Fleet_Declaration.pdf  (2019/12/07 Access)

 

2.グローバル燃費イニシアチブ(GFEI)

 

GFEIは、IEAと国連環境計画(UNEP)、経済協力開発機構(OECD)の国際交通フォーラム(ITF)、国際団体のクリーン交通国際協議会(ICCT)等の間に結ばれたイニシアチブであり、調査分析結果の共有、提言内容の共有などを通して、世界各国の燃費改善を促す枠組みである。

 

本内容は電気自動車や燃料電池車などのエコカーへの転換という意味では間接的な関連があるものの、直接的な関連性は小さいため、ここでは参考URLを記載するにとどめる。

 

Source:IEA

Fuel Economy in Major Car Markets
https://www.iea.org/reports/fuel-economy-in-major-car-markets  (2019/12/07 Access)

Global Fuel Economy Initiative, GFEI
https://www.globalfueleconomy.org/about-gfei  (2019/12/04 Access)

 

3.グローバルEVアウトルック(Global EV Outlook)

 

グローバルEVアウトルックは、世界各国におけるエレクトロモビリティの展開状況を特定し、議論する年間刊行物である。EVIの参加国の支援を得て、策定されている。中長期的な展望や歴史的分析に加え、電気自動車や充電インフラの配備状況、電気自動車の所有コスト、エネルギー使用、二酸化炭素排出、バッテリー材料需要などの重要な関心分野について分析を行っている。また、同文書では政策提言も行っており、EV採用促進のための政策手段を検討する関係者等が参考にできるような内容となっている。

本報告時点で最新のものは、2019年5月に公表されたGlobal EV Outlook 2019となる。2018年3月には北欧版のEVアウトルックも策定された。

 

Source:IEA

Global EV Outlook 2019
https://webstore.iea.org/global-ev-outlook-2019   (2019/12/04 Access)

Nordic EV Outlook 2018
https://webstore.iea.org/nordic-ev-outlook-2018   (2019/12/04 Access)

 

4.クリーンエネルギー移行プログラム

 

2017年11月に開始されたIEAクリーンエネルギー移行プログラム(CETP)は、グローバルなクリーンエネルギー移行を加速するための野心的な取り組み。このプログラムは、エネルギー政策がより持続可能なエネルギーの生産と使用への世界的な移行の見通しと速度に大きな影響を与える政府に対して、独立した最先端のサポートを提供するものとなる。

 

優先国には、ブラジル、中国、インド、インドネシア、メキシコ、南アフリカのほか、IEA加盟国や東南アジア、中南米、アフリカなどの主要地域が含まれる。

 

Source:IEA

Clean Energy Transitions Programme
https://www.iea.org/areas-of-work/programmes-and-partnerships/clean-energy-transitions-programme  (2019/12/07 Access)

 

気候グループのEV100

国際団体の気候グループ(Climate Group)が2017年9月に打ち出したEV100という世界的なイニシアチブは、31の主要企業とともにスタートした。各企業はそれぞれ公約(コミットメント)をウェブサイト上で公表しており、本報告時点で60社が名前と公約を連ねている。

EVIと異なり、主に企業のコミットメントから成るイニシアチブとなる。

 

EV100 参加企業一覧

AEON MALL INTU
AÉROPORTS DE MONTRÉAL JOHN SISK & SON
AIR NEW ZEALAND LANDSEC
AIRPORT AUTHORITY HONG KONG (AAHK) LEASEPLAN
APCOA PARKING GROUP MAWDSLEYS
ASKUL MERCURY
AUSTRIAN POST MERIDIAN ENERGY
ASTRAZENECA METRO AG
BAIDU MITIE
BANK OF AMERICA NIPPON TELEGRAPH AND TELEPHONE CORPORATION (NTT)
BOUNCE NOVO NORDISK
BSES YAMUNA POWER LIMITED (BYPL) ONTARIO POWER GENERATION
BSES RAJDHANI POWER LIMITED (BRPL) ØRSTED
BT GROUP PACIFIC GAS AND ELECTRIC COMPANY
CENTRICA PORT AUTHORITY OF NEW YORK & NEW JERSEY
CHRISTCHURCH AIRPORT POST CH LTD
CLIF BAR & COMPANY RBS
CLP GROUP ROYAL HASKONINGDHV
DELTA ELECTRONICS SCHENKER AG
DEUTSCHE POST DHL GROUP SHUTTL
EDF GROUP SIGNIFY
EDP SSE PLC
EFACEC STATE BANK OF INDIA
E.ON TAKASHIMAYA
GENENTECH TAXELCO INC
GENESIS ENERGY TOKYO ELECTRIC POWER COMPANY HOLDINGS, INC (TEPCO)
HEATHROW UNILEVER
HP INC. VATTENFALL
IBERDROLA VMWARE
IKEA GROUP WIPRO LIMITED

 

Source:IEA

EV100
https://www.theclimategroup.org/project/ev100    (2019/12/04 Access)

EV100参加の各企業のコミットメント
https://www.theclimategroup.org/ev100-members     (2019/12/04 Access)

EV100 Progress and Insights Annual Report 2019
https://www.theclimategroup.org/news/business-driving-demand-electric-vehicles   (2019/12/04 Access)

 

国際ZEVアライアンス

2015年12月のCOP21パリ会議で声明を発表し、参加する国ならびに州は、2050年までにそれぞれの管轄区の全ての乗用車をZEVにすることを目指すとした国の垣根を超えた国際的なZEV普及促進に関するイニシアチブ。

 

この取り組みにより、年間10億トン以上の温室効果ガス削減効果が見込めるとされる。本調査報告時点で、参加主体の数は18。

図表 24

バーデン・ビュルテンベルク州 ブリティッシュ・コロンビア州
カリフォルニア州 カナダ
コネチカット州 ドイツ
メリーランド州 マサチューセッツ州
オランダ ニュージャージー州
ニューヨーク州 ノルウェー
オレゴン州 ケベック州
ロードアイランド州 英国
バーモント州 ワシントン州

 

Source:国際ZEVアライアンス

International ZEV Alliance
http://www.zevalliance.org/ (2019/12/04 Access)

 

C40 Cities

 

C40は、気候変動への取り組みに取り組んでいる世界の大都市のネットワークである。C40は、各都市が効果的に協力し、知識を共有し、気候変動に関する有意義、且つ測定可能で持続可能な行動を推進することを促すイニシアチブとなる。世界中で94の世界有数の都市をつないで大胆な気候変動対策を講じ、より健康で持続可能な未来への道を先導している。7億人以上の市民と世界経済の4分の1を代表するC40都市の市長は、パリ協定の最も野心的な目標を達成するとともに、呼吸する空気を浄化することに、地方レベルでの取り組みを進めている。

 

C40 Cities ネットワーク

 

Source:C40 Cities

C40 Cities
https://www.c40.org/  (2019/12/04 Access)

 

日米欧の水素・燃料電池に関する共同宣言

2019年6月15日、経済産業省と欧州委員会エネルギー総局(DG-ENER)及び米国エネルギー省(DOE)は、水素・燃料電池技術に関する三国・地域間の協力を強化することを確認し、共同宣言(Joint Statement)を発表した。

 

共同宣言の要旨:

  • 経済産業省、EC/ENER及び米DOE(以下、三機関)は、水素・燃料電池技術への強い関心を共有する。
  • 三機関は、水素・燃料電池に対して、30年以上にわたり投資を行ってきた世界のリーダーであり、世界中で持続可能な水素・燃料電池技術の開発を加速するための結束を強化していく。
  • この協力関係が国際協力の拡大につながり、水素利用の規模拡大に貢献すると確信する。
  • 三機関は、他の国際的なパートナーシップや協力関係を通して多くの国々と協働して取組を続けながらも、三機関の協力によって得るものが多いと考える。
  • 三機関は2019年9月25日に開催される第2回水素閣僚会議に向けた協力覚書(MoC)の作成も見据えて、水素における協力枠組をいかに最も効果的に開始、実施するか追及する予定である。
  • 想定されるMoCは、2018年10月23日に東京で開催された水素閣僚会議で発表された「東京宣言」に示されている以下の分野における協力を通して具体的な取組の展開を促進する。

 

a. 技術協力及び、規制、規格・基準のハーモナイゼーション、標準化の促進
b. 水素の安全性及びサプライチェーンに関する情報共有・国際共同研究開発推進
c. CO2及び他の排出物質を削減する水素の可能性調査・評価
d. コミュニケーション、教育及びアウトリーチ

 

Source:経済産業省

経済産業省、欧州委員会及び米国エネルギー省間の水素・燃料電池に関する共同宣言
https://www.meti.go.jp/press/2019/06/20190615001/20190615001-2.pdf (2019/12/04 Access)

 

水素閣僚会議2019

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と経済産業省は、2019年9月25日、水素閣僚会議2019を開催した。閣僚級、関係企業のトップを含め、世界35の国・地域・機関の代表を含め600人を超える関係者が参加し、グローバルな水素の利活用に向けた政策の方向性について議論を深め、各国の水素・燃料電池に関する行動指針として「グローバル・アクション・アジェンダ」を議長声明として発表した。

閣僚会合参加国

日本 オーストラリア
ブルネイ パキスタン
バングラデシュ フィリピン
ベトナム オマーン
ノルウェー コスタリカ
ポーランド アルゼンチン
カナダ 欧州連合
フランス モロッコ
サウジアラビア スペイン
タイ オランダ
ニュージーランド チリ
イタリア 韓国
UAE 英国
タンザニア 米国
インドネシア

 

閣僚会合参加組織:

国際エネルギー機関(IEA) ASEAN・東アジア経済調査研究所
水素協議会(Hydrogen Council) 国際再生可能エネルギー機関(IREA)

 

Source:水素閣僚会議2019

水素閣僚会議2019
https://h2em2019.go.jp/ (2019/12/04 Access)

声明:グローバル・アクション・アジェンダ
https://h2em2019.go.jp/summary/  (2019/12/04 Access)

 

経済における水素および燃料電池に関する国際パートナーシップ (IPHE)

IPHEは、水素および燃料電池分野の研究開発、基準・標準の策定、インフラ開発に関する情報の共有などについての国際協力を促進するために、2003年に米DOEとDOTが主導して発足したイニシアチブである。

参加国

オーストラリア オーストリア
ブラジル カナダ
中国 コスタリカ
欧州連合(EU) フランス
ドイツ アイスランド
インド イタリア
日本 韓国
オランダ ノルウェー
ロシア 南アフリカ
英国 米国

 

Source:IPHE
https://www.iphe.net/   (2019/12/05 Access)

 

エコカー関連のレポートを公表する代表的な国際団体

国際クリーン交通協議会(ICCT)

Source:ICCT
https://theicct.org/  (2019/12/04 Access)

 

交通&環境(T&E)

Source:T&E
https://www.transportenvironment.org/   (2019/12/04 Access)