韓国

韓国におけるエコカー政策、関連規制の概要をご紹介するページです。

基本計画の根拠法令(環境に優しい自動車の開発及び普及促進に関する法律)

環境に優しい自動車の開発及び普及基本計画

環境に優しい自動車の普及施行計画

ハイブリッド自動車に対する購入補助金等(大気環境保全法)

公的機関等の低公害車の調達義務と低公害車の都市での駐車料金低減

 粒子状物質管理対策

高速道路料金の優遇

基本計画の根拠法令

【関連法令】

環境に優しい自動車の開発及び普及促進に関する法律
「환경친화적 자동차의 개발 및 보급 촉진에 관한 법률」

【概要】
環境に優しい自動車の開発及び普及を促進するために、総合的な計画を策定することを目的とする法律です。この法律で主に規定している内容としては、環境に優しい自動車に対して5年ごとに支援施策を策定することが挙げられます。環境部は、5年ごとに「環境に優しい自動車の開発及び普及に関する基本計画」を策定し、それを元にさらに毎年、具体的な施行計画(※2017年度環境に優しい自動車の普及施行計画)を策定し告知しています。

同法では、環境に優しい自動車の定義、HEVやPHEVを対象とする購入補助金制度の要件、対象車両、充電施設設置、駐車場インセンティブなど多数のエコカー関連要件も規定しています。

2017年9月時点で、韓国政府はこの法律を改定し、2030年から炭素を排出する自動車の販売を禁じる改定案を準備すると説明しています。

 


環境に優しい自動車の開発及び普及基本計画

【関連法令】

第3次環境に優しい自動車の開発及び普及基本計画
「제3차 환경친화적자동차 개발 및 보급 기본계획」

【概要】

産業通商資源部が2015年に発表した「第3次環境に優しい自動車の開発及び普及基本計画」では、下記の通り電気自動車及び充電所を設置すると発表しています。

区分 2017 2018 2019 2020 2021
累積普及目標 EV 46,000 86,000 136,000 200,000 268,000
EV急速充電所 637 830 1,000 1,400 1,500

電気自動車に対しては、上記の普及目標を達成するために、2022年までに現在の補助金制度を引き続き実施することが確定されています。ただし、年次別に1台当たり支給する補助金の金額自体は下方調整していく予定となっています。

一方、水素燃料電池自動車と充電所に対しては、下記の通り普及する方針を決めています。

区分 2017 2018 2019 2020 2021

累積普及目標

水素車

500 2,500 5,100 9,000 15,000
水素充電所 20 30 50 80 90

水素燃料電池自動車に対しては、2020年までに車両の価格を電気自動車と同水準まで引き下げる方針であり、それまでは補助金を維持する方針です。

< 基本計画に基づく法令改定の予定>
1 共同住宅団地における充電施設の設置義務
一定規模以上の共同住宅団地に、電気自動車専用駐車区域及び充電施設を設置することを義務付ける方針で推進します。

2 エネルギー消費効率表示方法の変更
エネルギー消費効率ラベルに、同じ等級の他車両に比べて、年間所要される費用を別途表示する法案を検討しています。

3 超小型電気自動車の分類基準策定&運行許可
超小型の運行を許容できるよう、分類基準及び許容要件を策定する方針です。

2020年までに、郵便及び物流分野に電気自動車を本格的に普及する方針であり、特に2018年から2020年までは郵便配達用二輪車1万5000台のうち1万台を超小型電気自動車へ転換することが決まっています。

4 電気自動車のバッテリー性能管理
電気自動車の中古取引を活性化させるために、バッテリーを品質認証対象として規定し管理します。品質認証対象には、品質認証基準が適用される見込みです。

5 電気及び水素燃料電池貨物自動車の運行を許容
電気及び水素燃料電池貨物自動車に対して、新規許可を許容するよう法律を改定する予定です。

6 エコカー専用駐車場の確保
住宅団地や公衆利用施設、駐車場などに対して、法律で一定割合以上をエコカー専用駐車場として設置することを義務付けています。他の乗用車などが駐車した場合は、課徴金を賦課します。

 


環境に優しい自動車の普及に関する施行計画

【関連法令・政策】

2018年度環境に優しい自動車の普及施行計画
「2018년도 환경친화적자동차 보급시행계획」

【概要】
「環境に優しい自動車の開発及び普及に関する法律」に基づき、環境部は5年ごとに「環境に優しい自動車の開発及び普及のための基本計画」を告知しており、その基本計画を推進するために、毎年具体的な施行計画を策定しなければならないと規定されています。

 



ハイブリッド自動車に対する購入補助金等

【関連法令】

大気環境保全法
「대기환경보전법」

【概要】
「低公害自動車」に対して優遇対策を実施できるよう規定を設けています。ハイブリッド自動車に対する優遇対策は下記の通りとなっており、補助金支援事業自体は環境部が管理し、補助金の支給や運営業務は、環境部の傘下機関である韓国環境公団(Korea Environment Corporation)が担当しています。下記の「ハイブリッド自動車に対する購入補助金支援事業」の内容は、韓国環境公団が告知しているものであり、「大気環境保全法」、「環境に優しい自動車の開発及び普及促進に関する法律」、「自動車管理法」、「首都圏大気環境改善に関する特別法」など、複数法律に根拠となる規定を設けています。

 



公的機関等の低公害車の調達義務と低公害車の都市での駐車料金低減

【関連法令】

首都圏大気環境改善に関する特別法
「수도권 대기환경개선에 관한 특별법」

【概要】
この法律は、Seoul、Inchon、Gyeonggi-doなどの首都圏地域における大気環境施策を推進するとともに、「低公害自動車」に対する普及・支援施策を推進する内容を骨子としています。なお、この法律は「大気環境保全法」より優先して適用することになっており、この法律で定めていない内容に関しては「大気環境保全法」を適用することになっています。行政機関、公的組織に一定割合以上の低公害自動車の購入を義務付け、また、民間事業者にも同様の勧告を出しています。他にも、低公害車向けの混雑通行量や公営駐車場の料金の低減を規定しています。

 


粒子状物質管理対策

【関連法令】

粒子状物質管理対策
微小粒子状物質特別法案(審議中(2018年7月)) など

【概要】
全国ガソリンステーションに充電所設置を推進する方針
韓国政府は、2020年までに新車販売の30%を電気自動車を含む「環境に優しい自動車」に代替できるよう、インフラを拡張することを発表しています。具体的には、全国ガソリンステーションの25%に充電施設3100台を設置する計画を発表しています。

古い軽油自動車の廃車を推進
古くなった軽油自動車の運行を制限し、新規自動車に切り替える場合、税金インセンティブを提供する方針です。

2018年7月現在、審議中の法案では、微小粒子状物質(PM2.5)の主な原因として軽油自動車を取り上げており、軽油自動車の中で低公害装置を使用していないものに対しては、法律で定める地域(行政区域の全地域、物流センター、港湾、市場など)において運行を制限する方針などが検討されています。

 


高速道路料金の優遇

【関連法令】

有料道路法
「유료도로법」

【概要】
通行料を徴取できる有料道路に関して必要な事項を定めることを目的としています。
2017年6月、韓国の文大統領政権は、環境に優しい自動車のうち、電気自動車と水素燃料電池自動車に対して、「有料道路法」に基づく高速道路にて、使用料を50%削減することを発表しました。しかし、この発表でハイブリッド自動車及びプラグインハイブリッド自動車は対象から除外されています。

ほかにも、最近の動きとしては、エコカー等級制度や、首都圏で運行しているバスに対して、2022年からは軽油バスの新規登録を制限することも発表しています。2022年まで新規登録を制限し、2027年までは首都圏における全てのバスを、電気バス、水素燃料電池バス、CNGバスといったエコバスに全面交代する方針を決めるとされています。

 

環境部
http://www.me.go.kr/home/web/main.do

環境部EV支援ページ
http://ev.or.kr/portal

環境に優しい自動車の総合情報支援システム
http://hybridbonus.or.kr

国家法令情報センター
http://www.law.go.kr/main.html

産業通商資源部
http://www.motie.go.kr/www/main.do

韓国自動車産業協会
http://www.kama.or.kr/MainController