アイスランド
【公表時期:2018年9月】
【Source:気候アクションプラン2018-2030】
- アイスランド政府は2018年9月10日、エミッション削減への取り組み強化を目的とする新しい「気候アクションプラン2018-2030」を発表した。
- この気候戦略は、「交通部門における化石燃料利用の段階的廃止」、「土地利用における炭素隔離技術の活用」の二点に焦点をあて、気候変動緩和に向けた34の施策を盛り込んでいる。
- これらの施策を通して、パリ協定の下での2030年向け目標(1990年比で40%削減)と、「2040年までにアイスランドをカーボン・ニュートラルとする」という政府目標の実現を目指すとしている。
- これら34の施策の中には、「2030年以降、新しいガソリン車あるいはディーゼル車の登録を禁止する」とする計画も含まれている。同国では近年、電気自動車(EV)販売台数が大幅に増加しており、政府はこの勢いを、向こう数年内にさらに加速したいとしている。
- また政府は今後12年以内に、国内を走行する自動車からのCO2排出量を50%削減することが可能と見ており、税制上の優遇措置を通してEVへの買い替えを奨励する一方で、ガソリン及びディーゼル燃料向けの炭素税を段階的に引き上げ、さらに公共交通機関や自転車の利用の促進にも力を入れる。
【公表後の動向】
- 欧州中心のEV関連メディアのelectrekが2019年5月13日に報じたところによると、アイスランドの首都レイキャヴィーク(Reykjavík)市の議会は2019年5月、市内に75か所あるガソリン・軽油供給スタンドの数を、2025年までに37カ所へ半減する計画を承認した。当初、同計画は2030年までに実施される予定であったが、5年間前倒しされた。
- 同計画の背景には、昨年9月にアイスランド政府が発表した、上述の気候戦略がある。
【URL】
- 気候アクションプラン2018-2030
Iceland’s Climate Action Plan for 2018-2030
https://www.government.is/lisalib/getfile.aspx?itemid=5b3c6c45-f326-11e8-942f-005056bc4d74 (2019/12/03 Access)
- Electrek, “Iceland moving away from ICE as capital Reykjavík aims to reduce gas stations by half by 2025”
https://ww.electrek.co/2019/05/13/iceland-reykjavik-gas-stations/ (2019/12/03 Access)