ガソリン車・ディーゼル車禁止政策ーオランダ

オランダ

【公表時期:2017年10月】

【Source:2017-2021年政策方針書「未来への確信」】

  • オランダの新政権が、2017年10月10日、2017~2021年を対象とした政策方針書 “Vertrouwen in de toekomst(未来への確信)“ を発表し、この中で、「2030年以降すべての新規自動車をエミッションフリー」とする方針を明らかにした。
  • 同国では、今年3月15日に行われた総選挙から約7か月及ぶ交渉を経てようやく、四つの政党(自由民主党(VVD)、キリスト教民主党(CDA)、民主66党(D66)、キリスト教連盟(ChristenUni))による連立政権が樹立される見通しがつき、10月23日の週に組閣が発表されることになっている。政策方針書は、これに先行して公表されたものである。
  • この方針が明文化された背景には、最新の司法判断も影響したと見られている。環境保護団体であるMilieudefensie及びAdemがオランダ政府を相手取り、都市圏や高速道路付近における粒子状物質及び二酸化窒素の基準値超過への対策を求めて起こした裁判で、2017年9月7日、デン・ハーグ裁判所は両団体の訴えを認め、大気汚染をめぐる状況は明らかにEU法に抵触しているとして、政府に対し、具体的な対策を講じるよう命じた。
  • なお、同国ではすでに一年以上前から、内燃機関自動車廃止案に関する討議が進められていた。2016年春には、当時の与党であるオランダ労働党(PvdA)が提出した、2025年から内燃機関搭載自動車を廃止するための法案が下院を通過したが、連立パートナー(当時)の自由民主国民党(VVD、第一党)がこれに反発していた。

 

【公表後の動向】

  • 上記の方針公表後、モビリティグループ(注:「Dutch Climate Agreement」の策定のために政府が設置した、5つの諮問グループの一つ)を中心として、この方針を具体化するための政策パッケージの策定が進められている。
  • 2018年11月末、同国のNOS放送局がこのモビリティ担当グループから独自に入手した内部資料の内容として、「電気自動車(EV)向け購入補助金支給」や「EV向け付加価値税の免除」「EV向け自動車税の免除」「ディーゼル車とガソリン車の自動車税の引き上げ」等の施策を報じた。

 

【URL】

  • 2017-2021年政策方針書「未来への確信」

Vertrouwen in de toekomst

https://d2vry01uvf8h31.cloudfront.net/CDA/Documenten/2017/TK2017/Regeerakkoord20172021.pdf  (2019/12/03 Access)