スペイン
【公表時期:2018年11月】
【Source:ロイター他】
- スペインで今年6月に発足したペドロ・サンチェス政権は、環境省とエネルギー省を統合し、低炭素経済社会への移行に向けた政策を柱とする「エコロジー移行省」を新たに設置するなど、積極的な気候変動との取り組みをその特徴とする。
- そのサンチェス首相が年内に国会へ提出予定の気候保全関連法案の中に、2040年以降、自動車新規登録を電気自動車(EV)に限定する方針が含まれていることを、2018年11月13日に複数のメディアが報じた。
- 欧州では、大気汚染対策として、ガソリン車とディーゼル車の新車販売を長期的に禁止する動きが2016年初頭頃から始まっているが(例:英国及びフランスは2040年以降、デンマークは2030年以降禁止など)、同法案が成立すれば、スペインもこうした動きに加わることになる。もっとも、成立には国会の承認が必要であり、サンチェス首相が党首をつとめるスペイン社会労働党(PSOE)の議席数は全体の4分の1に満たないことから、見通しははっきりしない。
【公表後の動向】
- 下院の関連情報として、2019年7月時点での法案の内容が公開されている。法案の第39条では、2040年までに電気自動車(乗用車)の販売目標を下記の通り設定している。
図表 7
時期 | 電気自動車の販売比率目標 |
2020年 | 3% |
2025年 | 25% |
2030年 | 70% |
2040年 | 100% |
※2019年11月~12月の調査時点でも未だ法律として成立はしていない。
【URL】
- Reuters, “Spain to propose ban on sale of petrol, diesel cars from 2040”
https://www.reuters.com/article/us-spain-emissions/spain-to-propose-ban-on-sale-of-petrol-diesel-cars-from-2040-idUSKCN1NI1SE (2019/12/03 Access)
- 下院 気候変動・エコロジー移行法案関連文書 2019年7月
Proposición de Ley sobre Cambio Climático y Transición Energética.
http://www.congreso.es/public_oficiales/L13/CONG/BOCG/B/BOCG-13-B-48-1.PDF (2019/12/03 Access)