カザフスタン第一の都市アルマトイでは、大量の二酸化炭素や一酸化炭素が大気中に毎日放出されている。寒波が到来して暖房の季節になると状況はさらに悪化する。氷河はすでに40%が失われ、清浄な空気のみならず水源まで失われている。環境保護活動家のM.Eleusizov氏によれば、自動車の排ガス、炭燃料による暖房、そして容量オーバーの廃棄物処分場が環境に負荷を与える3大要因だという。
何よりもまず、アルマトイ市民の健康への影響が懸念される。アルマトイの大気は二酸化炭素および一酸化炭素濃度が高い。体の不調を訴えたりアレルギーに悩まされる市民も多い。大気中には酸素が通常21%程度含まれるが、アルマトイでは17%だという。16%になると頭痛が始まるとされ、病を抱える市民-とりわけ子ども-が多い原因だとEleusizov氏は指摘している。
アルマトイではスモッグ問題が頻繁に取り上げられる。当局は大気中の有害物質の70%は市内の膨大な数の車と低品質のガソリンによるものだとし、市民に自家用車ではなく公共交通機関や自転車の利用を呼び掛けている。環境保護活動家らは緑化地帯を早急に増やし、合わせて炭燃料による暖房をやめ、廃棄物をきちんと分別することを提唱している。
カザフスタンは2016年8月にパリ協定に署名し、環境問題に自ら取り組んでいくことを約束している。「もし大気中の有害物質を削減することができなければ制裁が発動され、石炭、ディーゼル燃料、ガソリンから銅に至るまで輸出することができなくなる恐れがある」とEleusizov氏は警告している。