米ニューヨーク州の公的な経済開発機関であるEmpire State Development(ESD)は2020年1月14日、カナダのLi-Cycle Corporation(本社:オンタリオ州ミシサガ)が同社としては米国で初のリチウムイオン電池リサイクル施設をニューヨーク州に設置することを明らかにした。
Li-Cycleの技術は機械的粉砕と湿式精錬法による資源回収とを組み合わせたもので、リチウムイオン電池のすべての材料の80%ないし100%を回収することができる。回収された材料はすべて、電池の生産に使える状態にまで処理されるか、または他のリサイクル業者に送られて(鉄やプラスチックなど)そこでさらに再利用のために処理される。
立地、雇用創出、公的支援:
Li-Cycleはニューヨーク州モンロー郡のイースタン・ビジネス・パークにリサイクル施設を設置するが、これは米国におけるリチウムイオン電池の活発なサプライチェーンの存在と、同郡の中心都市であるロチェスターにおけるリチウムイオン電池エコシステムを視野に入れてのことである。同社はこの立地を、米国の南部と中西部にサービスを拡大していくのに絶好のものと判断した。
Li-Cycleはまた、リサイクル施設の操業1年目に少なくとも23人の雇用を創出することを約束している。2020年後半にはフル操業がはじまる見込みである。
この雇用創出の約束と引き換えに、ESDはエクセルシオール雇用プログラムを通じて最大45万ドル(約4900万円)をLi-Cycleに対して補助する。また、モンロー郡と、同郡を含む9郡の経済開発機構であるGreater Rochester Enterpriseも、このLi-Cycleのプロジェクトを支援している。プロジェクトの総コストは3年間で最大2330万ドル(約25億6000万円)と見積もられている。
なお、この件に関するESDの報道発表は以下のURLで読むことができる。
https://esd.ny.gov/esd-media-center/press-releases/licycle-operations-at-eastman-business-park