マレーシアで、2021年5月18日、低燃費車（EEV）の自動車燃費要件を規定したマレーシア規格（Malaysian Standard）、「低燃費車（EEV）要件（Energy efficient vehicle (EEV) – Requirements）」（MS 2722:2021）が発表された。マレーシアでは、2020年2月に、今後10年間の国内自動車産業の発展を掲げた、「国家自動車政策（NAP）2020」が発表されている。このNAP2020では、国内の自動車産業能力を強化する国家自動車構想が打ち出されており、世界的な自動車産業の保護主義的傾向に立ち向かい、自動車産業をマレーシア経済発展の重要な貢献者とすることを目指している。本マレーシア規格は、こうした政策動向を背景に作成されたものであり、以下の3点を目標に掲げた。
1）NAP2020の実施を完全なものとする。
2）車両からのCO2排出量を削減する。
3）排ガスおよび燃費に関する意識を向上させる。
なお、本規格は自主的なものであり、強制力をもつものではない。
EEV要件に関するMS 2722:2021の概要
- 適用範囲
MS 1822で規定された自動車分類（L, M, およびN）
- EEVの定義
CO2排出量（gCO2/km）および燃費（L/100km）に関する一連の仕様を満たす車両。低燃費内燃機関（ICE）車、ハイブリッド車、電気自動車（EV）、および、圧縮天然ガス（CNG）や液化石油ガス（LPG）、バイオディーゼル、エタノール、水素、燃料電池などの代替燃料車が含まれる。
- EEV燃費制限値
本規格ではEEV認定基準が複数定められているが、例えば車両重量に基づくEEVの燃費制限値は下表の通りである。
| 車両重量（kg） | 燃費制限値（L/100km） |
| <800 | 4.5 |
| 801-1000 | 5.0 |
| 1001-1250 | 6.0 |
| 1251-1400 | 6.5 |
| 1401-1550 | 7.0 |
| 1551-1800 | 9.5 |
| 1801-2050 | 11..0 |
| 2051-2350 | 11.5 |
| 2351-2500 | 12.0 |
| 2501-2750 | 13.5 |
| 2751-3000 | 14.7 |
| 3001-3250 | 16.0 |
| 3251-3500 | 17.2 |
一方で、電気自動車（EV）については自動的にEEVとして認定される。
- EEV証明書
EEV証明書はマレーシアの所轄官庁により発行される。
- EEVラベル
所轄官庁の承認得た車両は、以下に示すEEVラベルを貼付しなければならない。
なお、本規格は有料（45リンギット、約1200円）であり、以下のWEBページより購入可能である。
https://www.jsm.gov.my/web/msonline
ページ内の検索欄で2722を検索すると本規格の購入ページに移動できる。
