2023年10月1日(No. 2023-09164)
国・地域:欧州・ロシア, 欧州連合(EU)
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欧州委員会の研究部門JRCが新車の再生プラスチック含有目標に関する技術報告書を公表

欧州委員会の共同研究センター(JRC)による『新しい乗用車と小型商用車の再生プラスチック含有目標に向けて:使用済み自動車(ELV)指令の見直しに関連する技術的提案と影響分析』と題する技術報告書が2023年7月、欧州連合(EU)出版局ウェブサイト上で公表された。一般に、JRCの技術報告書は、エビデンスに基づいた科学的なサポートをEUの政策決定プロセスに提供することを目的としている。今回の技術報告書の具体的な狙いは、「ELV指令(2000/53/EC)」および「自動車型式認証におけるリユース性、リサイクル性、リカバリー性に関する指令(2005/64/EC)」(RRR指令)」の合同改正の枠組みで検討されてきた、新車を対象とする再生プラスチック含有目標の導入に関連して、技術的提案(政策オプションの提示)を行うことにあった。そして、このJRCによる提案をベースとする影響評価(Impact Assessment)やさらなる議論の結果、2023年7月13日に欧州委員会が公表した「ELV規則案」には、新車の再生プラスチック最低含有要件(重量比で25%以上)が盛り込まれた。

JRC技術報告書の構成

  1. 序論
  2. 新車に使用されるバージンプラスチックと再生プラスチックの実態や組成の分析
  3. 自動車部門で応用されるプラスチック材料を対象とするリサイクルシステムの分析
  4. 自動車における再生プラスチックの含有を拡大するための障害と可能性の特定
  5. 新車における再生プラスチック含有率目標の設定:技術的提案と影響評価
  6. 結論と展望

ELV規則案:新車の再生プラスチック最低含有要件
ELV規則案には、新車における再生プラスチックの最低含有要件が、以下のとおり盛り込まれている(第6条)。

【本規則の発効日から72か月後の月の初日】の時点で型式認証されている各車両型式に使用されるプラスチックには、使用済み(post-consumer)プラスチック廃棄物から再生されたプラスチックが重量比で25%以上含まれていなければならない。また、この目標の少なくとも25%は、当該車両型式に、ELVからリサイクルされたプラスチックを含めることによって達成されなければならない。

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