2024年1月21日(No. 2024-01135)
国・地域:アジア・オセアニア, 中国
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中国国家発展改革委員会など、新エネルギー自動車と送電網の相互利用強化に関する意見を発表しV2Gの普及促進を図る

2024年1月4日、中国国家発展改革委員会、国家エネルギー局などの行政機関は、「新エネルギー自動車と送電網の統合相互利用の強化に関する実施意見」を公布した。2023年6月、国務院事務局は、「高品質な充電インフラ体系のさらなる構築に関する指導意見」(国辨発〔2023〕19号)を公布し、車両と電力網の相互利用能力の向上、インテリジェント充電インフラ普及への注力、電気自動車の充電制御能力の強化、自動車と送電網の相互利用などのモデル事業の推進の必要性を提起した。今回公布された実施意見は、上記の国務院の意思決定を実行し、新エネルギー自動車の電気化学エネルギー貯蔵システムにおける重要や役割を十分に発揮させて、産業のインテリジェント化、グリーン化、統合化を推進し、新しい形のエネルギー体系や新型の電力システムの構築を支援するために作成された文書である。同実施意見では、車両と電力網の相互利用における発展の目標や重点課題が明記されており、次の段階の各分野における共同推進のための指導原則が示されている。

発展目標

  • 2025年までに、中国のV2G(vehicle-to-grid)技術の標準体系を基本的に構築し、充電ピークバレー電気料金制度の全面的に実施するとともに最適化を継続する。市場枠組みの構築において重要な進展を果たす。V2G試験事業を強化し、試験事業参加都市で2025年の年間充電電気量の60%以上をピーク時間帯以外に集中させ、個人の充電設備の充電電気量の80%以上をピーク時間帯以外に集中させる。新エネルギー自動車を移動式の電気化学的エネルギー貯蔵の潜在的資源として、試験事業で基本的な検証を行う。
  • 2030年までに、中国のV2G技術標準体系を基本的に構築する。市場枠組みをさらに整備し、V2Gの大規模活用を実現する。また、インテリジェントで秩序ある充電を全面的に普及させ、新エネルギー自動車を電化学エネルギー貯蔵システムの重要な構成部分とする。電力系統に、数千万キロワットレベルの双方向に柔軟に調節できる能力を提供する。

同意見では、V2Gの中核技術攻略における協同(コストを上げずに電池のサイクル寿命3000回以上達成など)、V2G標準体系の構築促進、関係する電気料金や市場枠組みの整備や最適化、双方向充放電総合試験事業の実施検討、充電・電池交換設備と電力網の相互利用水準の向上、電力網企業の支援保障能力の系統的な強化などを含む6つの重点課題も示されている。

上記意見の原文は、以下のURLより閲覧できる(中国語簡体字)。
https://www.ndrc.gov.cn/xxgk/zcfb/tz/202401/t20240104_1363096.html

 

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