2024年3月31日(No. 2024-03172)
国・地域:欧州・ロシア, 欧州連合(EU)
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欧州委員会、乗用車ラベリング指令の評価に向けた意見公募を開始

欧州委員会は2024年3月19日、「乗用車の燃費とCO2排出量を示すラベルに関する指令1999/94/EC」(以下、「本指令」という)の評価(evaluation)のための4週間の意見公募を開始した。2000年に公布・施行された本指令は、道路交通部門の温室効果ガス排出削減を支援するツールの一つとして、乗用車(新車)を対象に、燃費とCO2排出量に関する情報の表示を義務付けている。本指令が最後に評価されたのは2016年であり、それ以来、市場、社会、EU政策枠組みは大きく進展している。このため今回の評価では、現状に照らして本指令の規定がまだ目的に適合しているかを検証する。なお、欧州委員会は、乗用車と小型商用車のCO2排出基準を定める規則(EU)2019/631の第15条で、2024年12月末までに、本指令を見直すとともに小型商用車(新車)にも同様のラベルを導入するオプションを評価することを義務付けられている。

自動車ラベリング指令1999/94/ECとは
本指令は、域内で販売またはリースされる新車(乗用車)の燃費とCO2排出量に関する情報が消費者に提供されるようにすることを加盟国に義務付けるものである。これらの情報は、車両貼付ラベル、ポスター、販促資料、そして所定のガイドなどに表示されなければならない。このような措置を通して、消費者が、購入/リース車両の燃費とCO2排出量についての十分な情報を得た上で選択できるようにすることを狙っている。また、この措置は、需要を低排出ガス車へシフトさせることにより、間接的に、自動車メーカーが、規則(EU)2019/631に定めるCO2排出目標を遵守する助けになっている可能性もある。

評価の目的と対象
今回の評価作業では、全加盟国における本指令の機能と実績の評価、そこから得られる知見の収集、そして現況に照らして、本指令がどの程度まだ目的に適合しているかどうかについての批判的評価を行う。評価作業は、EUの規制改善(Better Regulation)ガイドラインに基づいて、(1) 有効性(Effectiveness)、(2) 効率性(Efficiency) (3) 妥当性(Relevance)、(4) 一貫性(Coherence)、(5) EUレベルで対応する付加価値(EU added value)の5つの評価基準を用いて行われる。なお、本指令に関連する委任法や実施法は存在しないため、今回の評価は指令1999/94/ECのみについて行われる。

今後の見通しとスケジュール

  • 2024年3月19日~4月16日:意見公募の実施
  • 2024年第4四半期:欧州委員会による採択
  • 2024年12月末:本指令の見直し期限(小型商用車ラベル導入オプション評価を含む)

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