2022年2月24日、中国工業情報化部は2021年のリチウムイオン電池産業の動向を発表した。中国のリチウムイオン電池産業は、政府の“2030年にカーボン排出量のピークを迎え、2060年にカーボンニュートラルを達成する”という目標を強力に支えている。2021年のリチウムイオン電池の総生産量は2020年の二倍以上の324GWhに達し、前年比で106%増加した。生産量の内訳は、一般消費者向け電池生産量は72GWh(18%増)、電気自動車向けが220GWh(165%増)、電力貯蔵向けが32GWh(146%増)であった。リチウムイオン電池産業全体の総生産額は、6000億元を超えている。
中国政府は2021年10月、2030年以降カーボン排出量を減少させ2060年にカーボン排出量を実質的にゼロにするカーボンニュートラルを達成する政策を発表した。リチウムイオン電池は、電気自動車用途や電力貯蔵用途でこの政策を強力に支えている。
研究機関の予測によると、リチウムイオン電池の主要材料である正極材、セパレータ、電解液の生産も二倍近くに成長している。2021年のリチウムイオン電池産業全体の総生産額は、6000億元を超えている。
リチウムイオン電池業界は研究開発を続け、最新の三元系電池とリン酸鉄リチウム電池のエネルギー密度は、平均で280Wh/kg、170Wh/kgに達し、サイクル寿命は5,000回を超えている。リチウムイオン電池の安全標準も続々と体系化され「電力貯蔵システムのリチウムイオン電池および電池パックの安全要件」等が正式に標準化された。
工業情報化部は、2013年にもリチウムイオン電池産業動向を発表している。当時のリチウムイオン電池産業全体の総販売額は、860億元でこの八年間で7倍近く成長している。
2021年の中国リチウムイオン電池産業動向について、下記のURLより閲覧できる。
中国工業情報化部ホームページ
http://english.www.gov.cn/archive/statistics/202202/27/content_WS621b6715c6d09c94e48a58a4.html
中国工業情報化部ホームページ(中国語簡体字)2021年産業動向
https://www.miit.gov.cn/gxsj/tjfx/dzxx/art/2022/art_439f3c87f9d247ee85592682b0f9ef8e.html
中国工業情報化部ホームページ(中国語簡体字)2013年産業動向
https://www.miit.gov.cn/gxsj/tjfx/dzxx/art/2020/art_5e948f68374c46dd8a73ef0559f51831.html