2019年3月14日(No. 201903004)
国・地域:アジア・オセアニア, 中国
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中国、2019年新エネルギー車第1回補助リストの注目点

2019年2月14日、工業情報化部は公式サイト上で第316回《道路機動車輛生産企業および製品公告》を公表した。今回の《公告》に登録された自動車・オートバイ生産企業は合わせて384社、新製品は合わせて2251件である。

同時に、今回の公告中に《新エネルギー自動車普及応用推奨車種リスト(2019年第1回)》を発表、全部で49企業の106車種を掲載しているが、その中には、純電動車製品が48企業98車種、プラグ式ハイブリッド製品が7社8車種含まれている。この数字は、新エネルギー自動車発展の趨勢および企業の事業展開を具体的に表している。リストは、純電動自動車主流車種の動力性・経済性・安全性・快適性における大幅な向上を示している。

従来燃料車の市場が低迷するにつれて、新エネルギー企業の参入熱が高まり、更に多くの企業が新エネルギー自動車分野へ進出している。2019年の第1回リストを見れば、ハイエンドな乗用車への参入は比較的多く、純電動車の発展にとっては有利である。

 

  • 新エネルギー車リスト公表の時間的推移
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1

5

製品公告 268回 269回 270回 271回 272回 273回 274回 275回 276回 277回 278回 279回
新エネ車目録 旧65回 旧66回 旧67回 旧68回 旧69回 旧70回 旧71回 旧72回 旧73回 旧74回 旧75回 旧76回
許可日 1/16 2/9 3/4 4/14 5/13 6/4 7/9 8/12 9/15 10/14 11/6 12/9
時間間隔 24 24 23 41 29 22 35 34 34 29 23 33
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6

製品公告 280回 281回 282回 283回 284回 285回 286回 287回 288回 289回 290回 291回
新エネ車目録 新1回 新2回 新3回               新4回 新5回
許可日 1/11 2/25 4/1 4/28 5/20 7/7 8/1 9/3 9/30 10/28 12/2 12/28
時間間隔 33 45 36 27 22 48 25 33 27 28 35 26
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7

製品公告 292回 293回 294回 295回 296回 297回 298回 299回 300回 301回 302回 303回
新エネ車目録 17第1回 17第2回 17第3回 17第4回 17第5回 17第6回 17第7回 17第8回 17第9回 17第10回 17第11回 17第12回
許可日 1/22 3/1 4/1 5/2 6/1 7/6 7/28 8/31 9/30 10/27 12/4 12/29
時間間隔 25 38 31 31 30 35 22 34 30 27 38 25
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8

製品公告 304回 305回 306回 307回 308回 309回 310回 311回 312回 313回 314回 315回
新エネ車目録 18第1回 18第2回 18第3回 18第4.5回 18第6回 18第7回 18第8回 18第9回 18第10回 18第11回 18第12回 18第13回
許可日 2/2 3/8 4/4 5/22 6/6 7/9 8/2 9/6 9/30 11/5 12/3 1/4
時間間隔 35 34 27 48 15 33 24 35 24 36 28 32
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9

製品公告 316回                      
新エネ車目録 19第1回                      
許可日 2/13                      
時間間隔 40                      

 

今回の316回リストは、2019年第1回のリストであり、基本的に、慣例として毎年月毎に必ず自動車企業および車輛製品リストが公表されることに符合している。2019年の新補助政策はまだ公表されていないが、19年第1回の公告の対応車種製品が依然として豊富であり、新エネルギー管理体系が整備されるにつれて、今年2月初旬に公表されるリストには引き続き良好な情勢が見られるに違いない。

 

2.18年リストの車種数量は記録創新

新エネ車リスト 2016 2017 2018一括 2018 2019
18年第1回 18年第13回 19年第1回
乗用車 純電動 166 361 684 27 43 46
PHEV 48 43 139 7 10 8
燃料電池 1          
乗用車一括 215 404 823 34 53 54
バス 純電動 1208 1421 1842 51 11 32
PHEV 346 399 297 2    
燃料電池 4 19 60 2 1  
バス一括 1558 1839 2199 55 12 32
専用車 純電動 424 988 1381 28 29 20
燃料電池   3 26 1 1  
PHEV 1          
専用車一括 425 991 1407 29 30 20
総計 2198 3234 4429 118 95 106

 

19年第1回リストの収録数106件は、前年18年第1回の118件の水準と比較して少々少ないが、主としてバス(大型乗用車)および専用車リストが減少しており、大型乗用車リストはかなり少なく、中でも純電動のリスト収録車が少ない。19年第1回純電動専用車リストは20件である。製品に対する新政策の要求が高く、専用車の技術負担が大きいので、新製品の登場は比較的遅い。

 

4.今回のリストに収録された新製造業者

回数 類別 企業名称
18年第1回 乗用車 広州自動車集団乗用車(杭州)有限公司
杭州長江乗用車有限公司
18年第13回 専用車 安徽愛瑞特環保科技株式有限公司
東営迈迪自動車有限公司
中国重汽集団済南トラック株式有限公司
19年第1回 乗用車 河南速達電動自動車科技有限公司
専用車 南通皋開自動車製造有限公司
バス 唐山上汽客車有限公司

 

本月の新エネルギー車リストに新たに収録された製造業者は3社、唐山上汽客車は既に製造を開始しているが、この度名称変更して唐山上汽客車となった。専用車企業は江蘇省南通市の企業である。

 

二、新エネルギー車車種電池種類の特徴

電池の特徴 2017 2018 2018一括 2019 2018 2018一括 2019
18年1‐4回 18年5‐7回 18年8‐10回 18年11‐13回 19年1回 18年11‐13回 19年1回
乗用車 純電動 三元Li 273 57 308 104 94 563 40 89% 82% 87%
Liイオン 47 14 59 11 5 89 3 5% 13% 7%
燐酸鉄Li 36 3 17 3 7 30 3 7% 4% 7%
マンガン酸Li 1   1 1   2   0% 0% 0%
純電動一括 361 74 385 119 106 684 46 72% 83% 85%
PHEV 三元Li 40 19 62 12 38 131 8 90% 94% 100%
Liイオン       2 4 6   10% 4% 0%
燐酸鉄Li 3   2     2   0% 1% 0%
PHEV一括 43 19 64 14 42 139 8 28% 17% 15%
乗用車一括 404 93 449 133 148 823 54 38% 19% 51%
バス 純電動 燐酸鉄Li 1257 209 1076 277 77 1639 31 90% 89% 100%
マンガン酸Li 78 3 88 35 3 129   3% 7% 0%
チタン酸Li 67 2 34 8 5 49 1 6% 3% 0%
純電動一括 1421 217 1216 323 86 1842 32 80% 84% 100%
PHEV マンガン酸Li 274 6 192 7 3 208   50% 70%  
燐酸鉄Li 122   58 2 2 62   33% 21%  
PHEV一括 399 7 270 14 6 297   6% 14% 0%
燃料電池 水素 19 5 10 30 15 60   100% 100%  
燃料電池一括 19 5 10 30 15 60   14% 3% 0%
バス一括 1839 229 1496 367 107 2199 32 28% 50% 30%
専用車 純電動 三元Li 631 69 421 159 58 707 6 45% 51% 30%
燐酸鉄Li 275 65 232 165 52 514 13 41% 37% 65%
マンガン酸Li 34 15 41 22 15 93 1 12% 7% 5%
純電動一括 988 154 724 375 128 1381 20 96% 98% 100%
燃料電池 水素 3 7 3 10 6 26   100% 100%  
燃料電池一括 3 7 3 10 6 26   4% 2% 0%
専用車一括 991 161 727 385 134 1407 20 34% 31% 19%
総計 3234 483 2672 885 389 4429 106 100% 100% 100%

 

新エネルギー車電池の伸びがかなり突出しており、三元の優勢が急速に明らかになって来た。18年第1-4回、純電動乗用車の三元リチウムは車種分布の80%を占め、第6-13回では大部分が三元リチウムであることは、製品転換の速度がかなり速いことを示している。乗用車の電池は三元電池が主力である。

純電動大型乗用車の電池は基本的にリン酸鉄リチウムであり、マンガン酸リチウムの大型乗用車の割合もかなり高く、中でもプラグ式ハイブリッド大型乗用車の大部分がマンガン酸リチウムである。17年のチタニウム酸リチウムの製品は比較的多く、主として珠海広通および石家庄中博の銀龍チタニウム酸リチウム製品である。近頃は、チタニウム酸リチウム電池製品は基本的に発売されておらず、19年第1回でも、僅かに1車種あるだけだ。快速充電系列の製品は既に、徐々に淘汰される局面に遭遇している。立ち後れた技術を補正することは効果的な結果が未だ得られていない。

専用車リストは、リン酸鉄リチウムおよび三元リチウムが歩調を合わせているが、18年第1-4回のリン酸鉄リチウムが50%に達したのはそれにしても高目で、相変わらず低コストへの要求が高い。13回のリン酸鉄リチウムも非常に多い。唯一電池の種類を明記していないのは、河南森源重工有限公司である。

 

三、純電動新エネルギー車エネルギー密度の特徴

エネルギー密度 2017 2018 2018一括 2019 2018 2019
18年1‐4回 18年5‐7回 18年8‐10回 18年11‐13回 19年1回 19年一括 18年11‐13回 19年1回
乗用車 >160     24 16 27 67 14 10% 25% 30%
150-160 2 10 30 13 6 59 1 9% 6% 2%
140-150 20 36 141 68 62 307 27 45% 58% 59%
120-140 152 24 154 20 11 209 4 31% 10% 9%
90-120 168 4 36 2   42   6% 0% 0%
<90 19             0% 0% 0%
乗用車一括 361 74 385 119 106 684 46 18% 33% 47%
バス >160 4   6 2   8   0% 0% 0%
150-160     19 20 5 44 1 2% 6% 3%
140-150 49 190 570 200 49 1009 29 55% 57% 91%
120-140 513 20 429 90 25 564 2 31% 29% 6%
90-120 715 5 136 3 2 146   8% 2% 0%
<90 136 2 54 6   62   3% 0% 0%
バス一括 1421 217 1216 323 86 1842 32 47% 27% 33%
専用車 >160 1   25 2 4 31 1 2% 3% 5%
150-160 10   11 25 5 41 3 3% 4% 15%
140-150 20 21 93 73 42 229 12 17% 33% 60%
120-140 193 92 433 207 58 790 4 57% 45% 20%
90-120 748 41 162 67 19 289   21% 15% 0%
<90 15             0% 0% 0%
専用車一括 988 154 724 375 128 1381 20 35% 40% 20%
総計 2770 445 2325 817 320 3907 98 100% 100% 100%

 

以上が純電動で、且つ非快速充電電池の特徴である。18年における、純電乗用車のエネルギー密度向上は非常に速く、19年第1回の乗用車で120以上は100%である。140W以上の占有率は91%に達し、その中でも140-150Wの純電三元電池は60%に達している。160W以上は30%に達している。

18年大型乗用車電池の向上は非常に速く、リン酸鉄リチウムの占める割合は95%だったが、19年第1回のリン酸鉄リチウム電池のエネルギー密度は120以下で0%になった。これは、大型乗用車の競争がかなり激しくて、大部分の大型乗用車企業が殆ど皆120の補助奨励要求を実現したからである。大型乗用車は、現在主に補助に頼って推進しており、現在既に140Wh /㎏以上の新製品が主流となっている。

専用車電池は、大型乗用車や乗用車電池と比べて少々劣り、以前の基本は皆90-120の間であった。近頃全面的にエネルギー密度120-140のものになって来ている。

 

四、新エネルギー車航続距離の特徴

新エネ車 2017 2018 2018一括 2019 2017 2018一括 2018 2019
18年1-4回 18年5-7回 18年8-10回 18年11-13回 19年1回 18年11-13回 19年1回
乗用車 150-199 175 2 42 3   47   48% 7% 0% 0%
200-249 27 13 35 9 1 58 1 7% 8% 1% 2%
250-299 79 24 102 15 9 150 4 22% 22% 8% 9%
300-399 63 24 145 63 54 286 16 17% 42% 51% 35%
>400 17 10 61 29 42 142 25 5% 21% 40% 54%
乗用車一括 361 74 385 119 106 684 46 13% 18% 33% 47%
バス 100-149 34   23 2 2 27   2% 1% 2% 0%
150-199 20 2 18 5 3 28   1% 2% 3% 0%
200-249 311 35 242 36 6 319   22% 17% 7% 0%
250-299 526 54 381 75 5 515   37% 28% 6% 0%
300-399 336 72 306 93 26 497 8 24% 27% 30% 25%
>400 157 54 237 111 44 446 24 11% 24% 51% 75%
バス一括 1421 217 1216 323 86 1842 32 51% 47% 27% 33%
専用車 100-149 85 4 15 9 4 32   9% 2% 3% 0%
150-199 159 2 46 26 23 97 4 16% 7% 18% 20%
200-249 298 50 192 117 33 392 2 30% 28% 26% 10%
250-299 268 40 213 85 28 366 3 27% 27% 22% 15%
300-399 153 52 227 119 30 428 9 15% 31% 23% 45%
>400 18 6 31 15 10 62 2 2% 4% 8% 10%
専用車一括 988 154 724 375 128 1381 20 36% 35% 40% 20%
総計 2770 445 2325 817 320 3907 98 100% 100% 100% 100%

 

19年第1回リストの純電動乗用車の平均航続距離は大幅に伸びたが、それは主に航続距離の低い製品が激減したからである。現在の車種は航続距離400km以上の増加が非常に多く、航続距離300-399kmの増加も比較的多い。将来的な新エネルギーポイント作用の衰退を考慮して、将来、航続距離の大きい車種が増長してくる見込みである。

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