日仏両政府が次世代自動車技術の分野における協力体制を強化することで合意した。関係が悪化したルノー、日産自動車の関係改善もこの背景にある。
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フランスと日本の両政府が次世代自動車技術の分野における協力体制を強化することで合意した。2019年9月2日に発表された仏政府声明によると、フランスのルメール経済・財務相と日本の世耕経済産業相が電話協議を行い、両国政府は情報共有と政策対話を深めることで同意するとともに、仏ルノーと日産自動車の協力関係への支援を維持・強化することを再確認した。
次世代自動車技術の分野における協力に関しては、とくに①自動運転技術、②車載用蓄電池、③自動車電化政策及び充電インフラ整備、④水素燃料電池車(FCV)、⑤中小サプライヤー強化、の5分野が中心となる。
なお、イタリア・チェルノッビオで9月7日に開かれたフォーラムに参加していたルメール経済・財務相は、「ルノーと日産自動車は、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)との潜在的な提携について議論する前にまず、共通の戦略を定義する必要がある」と語り、6月に撤回になったルノーとFCAの合併協議が再開する可能性を否定した。他方、フランス経済紙「レ・ゼコー」は9月9日、ルノーと日産自動車の両社間で問題となってきた人事等に関する協定の破棄を含め関係見直しに向けた協議を今夏よりから行っており、FCAの経営統合案について日産が加わった形で交渉が再開する可能性があると報じた。
【参考】9月2日の仏政府声明は以下のURLで閲覧が可能。