韓国Samsung SDIは2019年11月末、約3兆8000億ウォン(約3800億円)規模に上る電気自動車用バッテリーの供給契約を締結したことを明らかにした。Samsung SDIは、10年間といった長期間に亘る契約を結んだと説明し、2021年から2031年までBMW社が生産する電気自動車に、5世帯バッテリーを供給する予定である。
5世帯バッテリーは、1回充電する場合、600km以上走行できる性能を持つものという。Samsung SDIは、BMW社が2025年まで市販する電気自動車25種モデルのうち、多くのモデルにSamsung SDIのバッテリーが搭載されると期待している。
Samsung SDIとBMWは、2009年に初めて電気自動車の共同開発プロジェクトを開始した。当時、バッテリー事業に手を出してから1年しか経っていないSamsung SDIが、BMWとパートナーシップを締結したことで、話題になっていた。
Samsung SDIは、今年電気自動車のバッテリー事業で黒字を達成できる見込みであり、特に4半期におけるバッテリーの出庫量は最高値を更新する見込みであるという。また、Samsung SDIのエネルギー貯蔵装置を含めた中大型バッテリーの売り上げは、小型バッテリーの売り上げを越えると見込まれている。
一方、韓国の精油業界の大手企業であるSK Energy、GS Caltex、Hyundai OilBankなどは、インフラ事業を積極的に拡充している。GS Caltexは、市内の自社運営ガソリーンステーションに100kW級の急速充電器を初めて設置すると発表した。ソウル市内の3ヶ所のガソリーンステーションでは、電気タクシーのインフラとして、急速充電器、整備と洗車、運転手の交代などのサービスを複合的に提供する事業も推進する予定である。
SK Energyも、韓国産業通商資源部の傘下機関であるエネルギー公団とパートナーシップを締結し、全国の自社運営ガソリーンステーションにて、EV充電器を本格的に設置してゆく計画である。100kW級の急速充電器も設置する予定である。同社は、2020年内に20ヶ所に、2021年内に40ヶ所のガソリンステーションに充電インフラを整えると説明した。HyundaiグループのHyundai OilBank社は、ガソリン、軽油、LPG、水素、電気など全ての車両用燃料を一つのガソリンステーションにて供給できる複合型ステーションのパイロット事業を実施しており、今後全国の主要拠点に拡大していく方針である。