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2022年8月28日(No. 2022-08170)
国・地域:米州, 米国
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米:クリーン車税額控除延長、バッテリー用原材料・部品の北米製を条件とする法律成立

2022年8月16日、バイデン米大統領は、気候変動や医療費負担軽減対策に4,300億ドル(約59兆円、1ドル=137円で換算、以下同様)規模の予算を投じる『インフレ抑制法案(The Inflation Reduction Act)(H.R.5376)』に署名し、同法案は正式に成立した。税額控除が2032年まで延長され、低・中所得者が電気自動車(EV)などの”Clean Vehicle”を購入する際に、1台当たり最大7,500ドル(約102万円、$1=\136)の“Clean Vehicle Credit”(税額控除)を受けられる。また、適用対象を自動車メーカーごとに20万台という販売台数の上限を撤廃する。また税額控除の対象を、北米地域で最終的に組み立てられた新車であること、並びにバッテリー用の部品および原材料を米国内もしくはFTA加盟国から調達することを義務付けている。2024年1月1日より使用される車両から、その条件とされる「価値の割合」を徐々に引き上げ、部品に関しては2028年12月31日以降100%に、バッテリー用重要鉱物に関しては2026年12月31日以降80%以上にしなければならない。

Clean Vehicle Creditの適用条件、バッテリーの部品と原材料
Clean Vehicle Creditの対象となる条件として、EV用バッテリーの部品や原材料である重要鉱物の調達先を、米国または米国と自由貿易協定(FTA)を結んでいる国から調達することも義務付けている。概要は以下の通り。詳細は法案のPart 4参照。

米国または米国とのFTA締結国で抽出・加工された、あるいは北米でリサイクルされた「バッテリー用重要鉱物」の要求される「価値の割合」を、車両に使用される時期により以下のように定めている。

車両への使用時期 価値の割合
2024年1月1日より前 40%
2024年中 50%
2025年中 60%
2026年中 70%
2026年12月31日以降 80%

「バッテリー用重要鉱物」に関して、法案のページ448の(6) APPLICABLE CRITICAL MINERALSに、アルミニウム等50種の規定の物質と濃度などの細かい条件が規定されている。

本法案では、バッテリーの部品の「価値の割合」にも同様の要件を設けているが、2028年12月31日以降に使用される車両では、100%に達するまで引き上げられる。

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