米自動車大手ゼネラルモーターズ(GM)と米リチウム生産企業リベント(Livent)は2022年7月26日、米リベントが南米の塩水系事業で抽出したリチウムを主原料とする電池用水酸化リチウムをGMに供給する2025年から6年間の調達契約を締結したことを発表した。2022年8月2日、GMはその先払いとして19,800万ドル(約267億円、$1=\135で計算)をリベントに支払った。リベントの水酸化リチウムは、最近発表された「シボレー・ブレイザーEV」、「シボレー・シルバラードEV」、「GMC・ハマーEV」、「キャデラック・LYRIQ」などのEVに搭載されるGMのアルティウム電池正極に使用される。GMは、2025年までに北米で100万台の電気自動車を生産するというGMの目標を支える電池用の原料を契約上は確保したことになる。
契約の主な内容
- リベントは、2025年から6年間にわたり、GMに電池用水酸化リチウムを供給する。契約期間中、リベントは米国内の製造拠点からGMに「バッテリーグレード水酸化リチウム」を順次供給する。リベントは、GM向け水酸化リチウムの下流工程を100%北米に移行することを目指す。本契約により、GMへの供給が確保されるとともに、リベントの北米での機能拡張が支援されることが期待される。
- GMとリベントは、業界およびマルチステークホルダー・プラットフォーム(MSP)を通じて、責任ある事業運営と持続可能なサプライチェーンへの関与を共有している。GMは、「責任ある鉱物イニシアチブ(RMI)」に加盟し、2021年には「責任ある鉱業保証のためのイニシアチブ(IRMA)」に参加、2040年までにグローバル製品・事業でカーボンニュートラルになることを計画している。リベントは、IRMAの第三者評価に積極的に取り組み、EcoVadis社から持続可能性に関するゴールド評価を受け、2040年までに全体的にカーボンニュートラルを目指すことを発表している。
その他
GMは2022年7月26日、決算説明会の一部としてこの合意について説明、リベントは8月2日に予定されている2022年第2四半期の決算説明会の一部として同内容が説明された。
参考情報は以下のURLで見ることができる。