2022年9月23日、フォードは、テネシー州に、同社では過去最大でかつ最先端の自動車生産施設であるブルーオーバルシティ(BlueOval City)の建設に正式に着手したことを発表した。同社は、2026年の後半までに、世界で年間200万台の電気自動車(EV)を生産するという目標を立てているが、ブルーオーバルシティは2025年に開業予定で、目標達成のための重要な拠点となる。投資額はフォードとSK Onとの合弁のバッテリー生産子会社ブルーオーバルSKの投資額を合わせて56億ドル(約8,100億円、$1=\144.7で計算)で、メンフィス郊外の約6平方マイル(約15.5km2)の土地に建設され、6,000人の雇用を創出する。革新的な電気トラックと合弁で高度なバッテリーを生産し、バッテリーはフォードとフォードの一部門であるリンカーン・モーター・カンパニーのEVに供給される。
ブルーオーバルSKはケンタッキーに建設される2つのプラントと合わせて、米国で年間129GWHのバッテリー生産能力を持つことになる。
ブルーオーバルシティ
ブルーオーバルシティはフォードのFシリーズのEVの幅広いラインナップを組み立てるための、サプライから生産までの垂直統合されたシステムとなる。キャンパスにはブルーオーバルSKのバッテリー工場、主要なサプライヤー、リサイクル工場も立地する米国史上最大規模の自動車製造キャンパスとなる。組立工場は、カーボンニュートラル工場を目指し、地熱、太陽光、風力などの再生可能エネルギーの使用を追求する。組立工場は水の再利用及びリサイクルシステムを備え、真水の取水ゼロを目指している。また、稼働した時には、埋め立て廃棄物はゼロとなる。
- 場所:テネシー州メンフィス郊外のスタントン
- 敷地面積:6平方マイル(約5 km2)
- 投資額:56億ドル(約8,100億円)(フォードとブルーオーバルSKの合計)
- 着工:2022年9月
- 生産品目
Fシリーズのピックアップトラック(F-150ライトニング、次のEVモデル)
バッテリー(フォード、リンカーンのEV車用、ブルーオーバルSKによる) - 生産開始:2025年
- 雇用者数:6,000人
ブルーオーバルSK
ブルーオーバルSKは、フォードと韓国のバッテリーメーカであるSK Onが対等出資により設立した合弁会社である。ブルーオーバルシティの他に、隣接のケンタッキー州にバッテリー工場(ブルーオーバルSKバッテリーパーク)を建設している。
- 場所:ケンタッキー州グレンデール(ツイン工場)
- 投資額:58億ドル
- 生産品目:バッテリー(フォード、リンカーンのEV車用)
- 生産能力:二つの工場がそれぞれ43GWH
- 雇用者数:5000人
本記事の情報源は以下のURLで見ることができる。
- フォードのブルーオーバルシティの着工に関するリリース(2022年9月23日)
https://media.ford.com/content/fordmedia/fna/us/en/news/2022/09/23/blueoval-city-groundbreaking.html - ブルーオーバルSKの設立に関するリリース(2022年7月13日)
https://skinnonews.com/global/archives/10774 - ブルーオーバルシティとケンタッキーのバッテリー工場建設(2021年9月27日)
https://corporate.ford.com/articles/electrification/blue-oval-city.html