ドイツ連邦交通省が2023年9月18日、商用の電気自動車やEVトラック向けの急速充電インフラを整備する企業を、新たな補助プログラムを使って支援する、と発表した。補助の対象は、50kW以上の充電容量を備えた商用の急速充電ポイントと、そのために必要な送電網の接続である。本プログラムは、主に手工業や商業ビジネスだけでなく、フリートユーザー(運送会社や物流会社、宅配事業者、レンタカーやカーシェアリングの事業者、介護サービス事業者など)を対象としている。商用車の充電ポイントに加え、今回初めてEVトラック専用の充電ポイントも対象である。今回の募集では、最大4億ユーロの資金調達が可能である。
申請は2023年9月18日から、ユーリッヒプロジェクト管理機構(https://lis.ptj.de/)を通じて行うことができる。応募資格があるのは、営利企業と公共部門出資企業である。次の支出が補助金の対象である。
- 急速充電インフラと関連機器(蓄電装置など)への投資支出
- 送電網接続と送電線・接続機器の設置(土木工事を含む)への支出
補助金の条件に関する詳細
- 各申請企業が申請できるのは1件のみである。関連会社の場合、自ら法人格をもつ子会社が自身の申請書を提出する。
- 関連会社から提出のあったすべての申請を合算して、総額3,000万ユーロを補助の上限とする。
- 1件あたりの申請では、急速充電ポイントの数に関係なく、500万ユーロを補助の上限とする。
- 充電ポイントごとに交付する補助金については、その充電ポイントの直流(DC)充電容量に応じて最大補助金額を定める。充電ポイントの充電容量が50~149 kWの場合、充電ポイントあたりの最大補助金額は、中小企業の場合が1万4,000ユーロ、大企業の場合には7,000ユーロとする。充電容量が150kW以上の充電ポイントの場合、中小企業に最大3万ユーロ、大企業には最大1万5,000ユーロを交付する。
- 急速充電ポイントはドイツ国内に設置し、運転開始日から少なくとも2年間、申請企業が所有するものとする。
- 充電に必要な電力は、再生可能エネルギーから供給することとする。
- 他の補助金との併用は認めない。
- 設備の調達から設置まで、交付決定書の受領日から18カ月以内に完了させることとする(事業期間は、交付決定書の日付をもって始まる)。事業の遅延は、正当で例外的な場合にしか認めない。
関連URL
ドイツ連邦交通省のプレスリリース:
https://bmdv.bund.de/SharedDocs/DE/Pressemitteilungen/2023/092-wissing-bmdv-foerdert-aufbau-von-schnellladeinfrastruktur.html
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