ペルー国会に2023年7月4日、国家の競争力強化のため、電気自動車及び天然ガス自動車の大型トラックやバスにインセンティブを与える法案No.5515/2022-CRが提出された。総重量3.5トン以上のトラック及び8人乗り以上のバスが対象となる。ペルーでは2012年4月13日公布の法律No.29852で、エネルギーの社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン)基金FISEが創設され、電気や都市ガスに接続されていない低所得層に、家庭用LPガス購入の割引チケットが提供されている。法案はこのFISEを使って、電気自動車及び天然ガス自動車の大型バスやトラックの購入に対して、購入車を実担保とし、優遇金利で最大36ヵ月返済の貸し付けをすることを提案するものとなっている。
法案では、FISEの対象に電気自動車及び天然ガス自動車の大型バスやトラックの購入への融資を加え、徴収される金利をFISEの資金源とするべく、法律No.29852の第4条及び第5条を改正することが提案されている。またペルーでは、2023年及び2024年に購入される電気自動車及びハイブリッドカーは年率最大50%まで償却できる、特別償却法No.31652が2022年12月30日に公布されており、この第4条を改正して、100%電気自動車及び天然ガス燃料の大型バスやトラックに限り、7年間限定で、年率最大50%まで償却できることの追加も提案されている。
法案提議書では、これまで国会に、電気自動車など低カーボン自動車奨励の為、それらの所得税や消費税、自動車税の免除、販売税の前倒し還付、加速償却などを提案する法案がいくつも提出されてきたが、これらは国家の財政を圧迫するものであるため、出来る限り財政には影響を与えないこのような方法での優遇措置を考えるべきである点が、指摘されている。
法案No.5515/2022-CRは、以下のURLで閲覧できる(スペイン語表記)。
https://wb2server.congreso.gob.pe/spley-portal-service/archivo/MTE1ODc4/pdf/PL0551520230704