山西華陽新材料が主催する世界初のナトリウムイオン電池電動二輪車の商品化発表会が2023年8月9日、山西省陽泉の華陽鈉芯で行われた。華陽股份と新日公司が共同でナトリウムイオン電池と電動二輪車を生産する。山西華陽新材料は、世界初の年間生産能力1GWhのナトリウムイオン電池バッチ生産ラインとナトリウムイオン電池パック生産ラインを構築し、48V18Ahの容量の電動二輪車用ナトリウムイオン電池パックを生産する。山西華陽新材料は、ナトリウムイオン電池の電力貯蔵用途への展開を検討している。
ナトリウムイオン電池について
電気自動車の急速な発展に伴い、リチウムイオン電池の生産量は飛躍的に増加している。しかし、リチウム資源は豊富では無く価格も乱高下してきた。一方、物理的・化学的性質が似ているナトリウム資源は、非常に豊富で世界中に分布している。
ナトリウムイオン電池は、放電電位が低くリチウムイオン電池と比べてエネルギー密度が小さいが、安全性が比較的高く-20℃環境の放電容量、電池寿命等がリチウムイオン電池より優れている。地元メディア捜狐の記事によると、今回量産するナトリウムイオン電池は円筒型の26700(直径26mm、高さ70mm)サイズで電圧3.0V、容量3.0Ahである。
山西華陽新材料について
山西華陽新材料は、山西省の総合石炭化学企業であった太原化学工業グループの子会社で、1999年に名称が太原化工股份から山西華陽新材料に変更された。将来の発展への基盤を築くため、新エネルギー・新素材産業の事業へ転換しナトリウムイオン電池技術に注力した。2019年初めより中国科学院と中科海鈉と協力し、より早くナトリウムイオン電池関連産業の展開を始めていた。
新日公司について
1999年に設立された新日公司は、電気自動車の設計、研究開発、製造、販売を専門とする企業で100以上の国や地域に電動二輪車を出荷している。コストが比較的安く低温環境でも使用可能なナトリウムイオン電池は電動二輪車に適していると考え、ナトリウムイオン電池を搭載した電動二輪車の開発に同社は先駆けて取り組んでいた。
山西華陽新材料のナトリウムイオン電池について、下記のURLより閲覧できる。
山西華陽新材料ホームページ企業動態(中国語簡体字)
https://www.hyxc600281.com/#/dynamics/detail?id=1689525483286433792
地元メディア捜狐2023年8月9日記事(中国語簡体字)
https://www.sohu.com/a/710346732_121778124?scm=1019.20001.0.0.0&spm=smpc.csrpage.news-list.3.1692673258685bNvh6yH
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