2023年9月24日、韓国のLG化学は中国リチウムイオン電池材料メーカーの華友鈷業とMOUを締結し、モロッコに年間生産量5万トン規模のリン酸鉄リチウム(LFP)工場を建設し、LFP正極材料市場に共同で参入する。モロッコのリン鉱石埋蔵量は世界最大であり、両社が建設する工場は2026年に生産を開始する計画である。同工場で生産されるLFP正極材料は北米市場に供給する計画で、モロッコは米国自由貿易協定(FTA)の署名国であるため、LG化学は米国インフレ抑制法(IRA)の補助金を受領するために両社の出資比率を調整する予定である。両社は、同時にモロッコでのリチウム塩加工工場、インドネシアでのHPAL(High Pressure Acid Leaching)製錬工場、正極前駆体工場の建設についても、MOUを締結した。
LG化学について
LG化学は韓国最大の多角的化学会社で、2020年12月に電池部門がLGエナジーソリューションとして分社化するまで、リチウムイオン電池の開発、製造を行っていた。そのため、リチウムイオン電池材料の製造などに関する優れた化学の専門知識がある。
2023年時点で、LGエナジーソリューション、SK On、サムスンSDIの韓国大手電池メーカーは、三元系正極材料を用いたリチウムイオン電池のみを製造している。比較的安価なLFP正極材料を用いたリチウムイオン電池の需要拡大に対応するため、華友鈷業と共同でLFP正極材料市場に参入する。
華友鈷業について
華友鈷業は2002年に創立されたリチウムイオン電池材料メーカーで、電池材料とコバルト新材料の開発・製造を行っている。創業後20年間に同社は、国外から原材料を確保し、中国国内で電池材料を製造し、グローバル市場に販売する産業構造を確立した。
2022年以降華友鈷業は、今回のモロッコでのリン鉱石を用いたLFP正極材料工場以外にも、ジンバブエでのリチウムに関するプロジェクト、インドネシアでのニッケルに関するプロジェクト等中国国外での現地製造のプロジェクトを推進している。
LG化学が華友鈷業と提携について、下記のURLより閲覧できる。
LG化学ホームページPress Releases
https://www.lgchem.com/company/information-center/p
華友鈷業ホームページNEWS(中国語簡体字)
https://www.huayou.com/news/1045.html
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