スロバキアの電池メーカーであるInoBatは2023年9月25日、セルビア共和国財務省およびセルビア中部のチュプリヤ（Ćuprija）市とMOUを締結し同社として2番目のバッテリーギガファクトリーを建設する事を発表した。同社は2023年8月に中国電池メーカーのGotion High-tech（中国名；国軒高科）と投資契約を結び、InoBatがGotionから25％の出資を受ける。InoBatの新しいバッテリーギガファクトリーは、年間生産容量20GWhの規模で2024年に着工し2026年までに完全稼働する計画である。
InoBatについて
2019 年に設立されたスロバキアのInoBatは、翌2020年に研究開発およびパイロットライン用の敷地を購入、第1世代のプロトタイプバッテリーを導入した。
2021年に第1世代のNMC622バッテリー（三元系正極材ニッケル、マンガン、コバルト比が6:2:2）が全ての安全性と性能テストに合格し、航空関係の顧客との契約が結ばれた。2022年に、先ずスペイン政府とEVバッテリーギガファクトリー建設に関する意向表明書に署名し、今回、セルビア共和国ともEVバッテリーギガファクトリー建設に関する意向表明書に署名したもの。
2023年にInoBatとGotionはEVバッテリーセルおよびパックの開発に関して提携し、その後、投資契約を締結した。
Gotion High-techについて
2006年に国営企業として設立されたGotion High-techは、翌2007年にはリン酸鉄リチウム生産ラインを設置する等、リン酸鉄リチウムイオン（LFP）電池の開発・製造に注力している。2015年5月に深圳証券取引所に上場し、車載リチウムイオン電池、エネルギー貯蔵、送配電設備等、様々な電池関連製品の開発と製造を行っている。
Gotion High-techは、2020年にフォルクスワーゲンが26%の株式を取得し、筆頭株主になってからグローバル戦略が加速している。同社は、2022年6月にドイツのゲッティンゲン市に新たなバッテリー工場を開設した。2023年10月には、米国子会社を通してイリノイ州にバッテリー工場を建設する事を発表している。
2023年時点で、中国国内の合肥本社、上海および8ヵ所の主要事業所、およびドイツ、アメリカ、日本、シンガポール、インドに海外拠点がある。
InoBatのバッテリーギガファクトリー建設について、下記のURLより閲覧できる。
InoBatホームページNewsroom
https://www.inobat.eu/newsroom/the-battery-gigafactory-is-one-step-closer-gotion-high-tech-and-inobat-will-build-it-together/
https://www.inobat.eu/newsroom/inobat-signs-mou-with-republic-of-serbias-ministry-of-finance-and-the-municipality-of-cuprija-to-build-its-second-giga-battery-manufacturing-and-recycling/
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