2024年4月4日、米国エネルギー省(DOE)の車両技術室(VTO: Vehicle Technologies Office)は、輸送部門の温室効果ガス(GHG)のネットゼロを達成するために必須である研究・開発・実証・配備(RDD&D)を推進するプロジェクトに対して新規に4580万ドル(約68億7000万円。$1=\150で換算。以下換算は省略)の資金提供することを発表し、公募を開始した。本資金は、公平なクリーン輸送の技術革新を推進するもので、『米国運輸部門の脱炭素化のための国家計画(U.S. National Blueprint for Transportation Decarbonization)』に詳述されている戦略に沿ったものである。応募の締め切りは、コンセプトペーパーが2024年5月2日、完全なアプリケーションが2024年6月24日。
車両技術室の2024会計年度の研究開発助成の対象分野は以下の通り。
トピック/サブトピック・タイトルと主な目的 | 受賞予定数 | 総資金提供額 |
1. 次世代リン酸塩系正極 リン酸塩系正極を含む高エネルギー密度の電池セルを材料およびセルレベルで開発 |
4~5 | $15,000,000 |
2. EV用Naイオン電池のシーディング・プロジェクト 現在の業界最先端のNaイオン技術を大きく前進させるセル化学を利用した1Ahフルセルの開発を通じて、正極、負極、または電解質に関する重要な課題を解決することにより、Naイオン電池の技術水準の向上 |
4~6 | $6,000,000 |
3.オフロード車向け低GHGコンセプト オフロード車部門全体で、GHG排出量、エネルギー使用量、有害基準排出量、総所有コストを大幅に削減できる技術コンセプトの開発と検証 |
2~3 | $3,500,000 |
4.コネクティビティによる省エネ 接続されたコリドー沿いのエコドライブ、輸送または貨物の優先、統合コリドー管理、旅客又は貨物の追跡の最適化など、モビリティ・エコシステムの効率性と利便性に焦点を当てたV2X(vehicle to everything)技術の開発と展開 |
2~4 | $6,300,000 |
5.国産E-スチール 特に、駆動用モーターとその部品用に、周波数、厚さ、延性、コスト、製造可能性などの特性を満たすE鋼の開発 |
1~3 | $5,000,000 |
6. スマートで安全なEV充電のためのサイバーセキュリティ 2つのサブテーマを通じて、重要なサイバーセキュリティのニーズに取り組む 6.a: サイバーセキュアなEV/EVSE統合の実現 6.b: EV/EVSE/充電システムのサイバーセキュリティ態勢と、通信、制御、監視の標準とプロトコルへの準拠を評価するツール |
2~4 | $10,000,000 |
参考情報は以下のURL見ることができる。
- 2024年4月4日付のVTOのニュース、”Funding Notice: Vehicle Technologies Office Fiscal Year 2024 Research & Development Funding Opportunity Announcement”
https://www.energy.gov/eere/vehicles/articles/funding-notice-vehicle-technologies-office-fiscal-year-2024-research
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