2024年6月19日、中国国家市場監督管理総局は、強制国家標準である「電気自動車用駆動用バッテリー安全要求」(GB 38031)の改正草案に関するWTO/TBT通報を行った。コメントの募集期間は、通報日の60日後までとなる。公布日は未定だが、正式公布日の6カ月後に施行される見通しである。また、新たに型式承認を申請する製品は改正標準の施行日以降、型式承認を取得済みの製品は改正標準施行日の13カ月後以降、適用が開始される予定である。なお、2024年5月27日に、工業情報化部は、上記標準の改正意見募集稿を公表し意見公募を行っている(意見募集期限は2024年7月27日)。今回のWTO通報稿の内容は、上記2024年5月27日に公開された意見募集稿と同一である。今回の改正では、適用範囲が「電気自動車用駆動用バッテリー」と改められており、EVに動力を提供しないバッテリーは適用対象外として定められている。今回の改正に関する概要については、記事末尾の「関連記事」を参照されたい。
その他の改正箇所一覧
- 漏洩の定義が改められた(3.13、2020年版3.13を参照)。
- 熱イベントの定義を追加した(3.14を参照)。
- 急速充電後のバッテリーセルの安全要求や試験方法を追加(5.1.7、8.1.8を参照)
- バッテリーパックまたはシステムの振動に対する安全要求を追加した(5.2.1、2020年版の5.2.1を参照)。
- バッテリーパックまたはシステムへの機械的衝撃に対する安全要求を追加した(5.2.2、2020年版の5.2.2を参照)。
- バッテリーパックまたはシステムの模擬衝突に対する安全要求を追加した(5.2.3、2020年版の5.2.3を参照)。
- バッテリーパックまたはシステムの湿熱サイクルの安全要求や試験方法が改められた(5.2.5と8.2.5、2020年版の5.2.5と8.2.5を参照)。
- バッテリーパックまたはシステムの熱安定性試験の安全要求や試験方法が改められた(5.2.7、8.2.7および附属書C、2020年版の5.2.7、8.2.7および附属書Cを参照)。
- バッテリーパックまたはシステムの温度衝撃に対する安全要求や試験方法が改められた(5.2.8および8.2.8、2020年版の5.2.8および8.2.8を参照)。
- バッテリーパックまたはシステムの塩水噴霧に対する安全要求や試験方法が改められた(5.2.9および8.2.9、2020年版の5.2.9および8.2.9を参照)。
- バッテリーパックまたは高地におけるシステムの安全要求が改められた(25..10、2020年版の5.2.10を参照)。
- バッテリーパックまたはシステムの過熱保護の安全要求や試験方法が改められた(5.2.11および8.2.11、2020年版の5.2.11および8.2.11を参照)。
- バッテリーパックまたはシステムの過電流保護の安全要求が改められた(5.2.12、2020年版の5.2.12を参照))。
- バッテリーパックまたはシステムの外部短絡保護に関する安全要求が改められた(5.2.13、2020年版の5.2.13を参照)。
- バッテリーパックまたはシステムの過充電保護に関する安全要求が改められた(5.2.14、2020年版の5.2.14を参照)。
- バッテリーパックまたはシステムの過放電保護に関する安全要求が改められた(5.2.15、2020年版の5.2.15を参照)。
- バッテリーパック、システムまたは車両底部への衝撃に対する安全要求や試験方法が追加された(5.2.16および8.2.16を参照)。
- テストプロセスエラー、データ記録および記録間隔が改められた(6.3と6.4、2020年版の6.3と6.4を参照)。
- 加熱試験方法が改められた(8.1.5、2020年版8.1.5を参照)。
- バッテリーセルの押出試験方法が改められた(8.1.7、2020年版8.1.7を参照)。
- バッテリーパックまたはシステムの押出試験方法が改められた(8.2.4、2020年版の8.12.4を参照)。
- バッテリーパックまたはシステムの外部火災試験方法が改められた(8.2.7.1、2020年版8.2.7.1を参照)。
上記通報稿の原文は、以下のURLより閲覧できる(中国語簡体字)。
https://web.wtocenter.org.tw/Page/13317/399516
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