欧米自動車大手ステランティスは2023年8月17日、米国の地熱リチウムプロジェクトへ1億米ドル以上の投資を行うことを発表した。ステランティスは、米国カリフォルニア州の地熱リチウムプロジェクトにより電池グレードの水酸化リチウム一水和物(以降LHMと称する)を生産する計画を進めるControlled Thermal Resources Holdings Inc. (以降CTRと称する)へ投資し、2027年に最大25,000トンのLHMの供給を受ける。今回の投資は米国内でのリチウムの確保を進め、インフレ抑制法(IRA)が定めるCritical Minerals Requirement(北米産鉱物使用比率要求条件)をクリアし、税の控除を受けることを目標とする。ステランティスは、2030年までに米国でのバッテリー電気自動車(BEV)販売比率(乗用車・小型トラック)を50%にするDare Forward 2030計画を立てている。
ステランティスについて
ステランティスは、2019年にフランス、イタリア、アメリカの自動車メーカーが合併して誕生した多国籍自動車製造会社。ステランティスのホームページによると2023年時点でオペル、プジョー、フィアット、クライスラー、ジープ等の14のブランドの自動車を製造している。
ステランティスは、2038年までにカーボンネットゼロを達成するために、2030年までに温室効果ガス排出量の50%を削減するDare Forward 2030を発表している。その中で米国でのBEV販売比率を50%にする販売目標を立てている。
CTRの地熱リチウムプロジェクトについて
CTRはカリフォルニア州インペリアル・バレーのソルトン海(塩湖)で、地熱発電と地熱活動により放出されるリチウムの抽出を行っている。ソルトン海では1年間に炭酸リチウム換算(Lithium Carbonate Equivalent;LCE)最大30万トンのリチウムが産出される見込みである。CTRは塩湖の地下より直接リチウムを含んだかん水を汲み上げ、LHMを生産する。2027年から年間25,000トンの規模でLHMの供給を始め、10年をかけて年間最大65,000トンの規模まで供給量を増やす計画である。
ステランティスのCRTの地熱リチウムプロジェクトへの投資について、下記のURLより閲覧できる。
ステランティスホームページPRESS RELEASES
https://www.stellantis.com/en/news/press-releases/2023/august/stellantis-invests-in-ctr-to-strengthen-low-emission-us-lithium-production
CTRホームページCTR News
https://www.cthermal.com/latest-news/stellantis-invests-in-ctr-to-strengthen-low-emissions-us-lithium-production
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