ブラジル下院に2023年8月29日に提出されていた、交通事故対策として電気自動車及びハイブリッド自動車に、時速1~20kmでバック走行する際に、内燃機関の自動車と同レベルの騒音を発生する装置の装備を義務付けるブラジル交通法改正法案No.4171/2023が、2023年10月31日に下院の消費者保護諮問委員会への審議に送られた。法案提議書では、EUでは歩行者保護のため、電気自動車やハイブリッド車に標準装備として車両接近通報装置を取り付けるよう義務付けられるべきと指摘されている。
法案は、1997年9月23日公布のブラジル交通法No.9503を、以下のように改正するものとなっている。
- 第105条の、シートベルとなど自動車への装備が義務付けられる要素に、IXとして、電気自動車及びハイブリッド自動車に対してのみ、時速1から20kmでバック走行の際に、内燃機関自動車と同レベルの騒音を発生する機器を追加。
- 同条にセクション7として、IX項の装置は、手動で外せるようになっていなこと、という注を追加。
- 第VX章「罰則」の第230条に、XXVとして、第105条IXで規定されている装置が故障または機能していない場合は、重大な違反とし、罰金措置及び、行政措置として正常に機能する装備とするまで自動車を保留措置とする項目を追加。
法案提議書では、電気自動車は、内燃機関自動車と違って環境に有害な排気ガスの排出がなく、また騒音も少ないという利点があるが、騒音に関しては様々な懸念が表明されている点が指摘されている。例えば欧州の盲人協会は、盲人は自動車の接近を確認するために自動車の騒音を必要する点を訴え、またイギリスの調査によると、電気自動車及びハイブリッド自動車の歩行者との交通事故が一年で54%増加しており、このためEUでは車両接近を知らせる人工的な騒音発生装置の装備が義務付けられたことが、法案提議の理由となっている。
法案No.4171/2023は、以下のURLで閲覧できる(スペイン語表記)。
https://www.camara.leg.br/proposicoesWeb/prop_mostrarintegra?codteor=2319350&filename=Tramitacao-PL%204171/2023