2024年6月30日(No. 2024w26-04)
国・地域:アジア・オセアニア, 韓国
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韓国LGエネルギーソリューションが「バイポーラ型」全固体電池の開発を本格化

韓国のソウル経済新聞は2024年6月6日、LGエネルギーソリューションが体積当たりのエネルギー密度を大幅に改善する「バイポーラ型」全固体電池の開発を本格化すると報じた。「バイポーラ型」全固体電池は、全固体電池内に電極を複数個積層して電圧を上げる事により体積エネルギー密度を改善する。現在量産している三元系(NCM)リチウムイオン電池はモノポーラ構造で、電圧を上げるためには単電池をそれぞれ接続する必要がある。それに対し、バイポーラ構造は電池内で電極を直接接続して電圧を上げ体積エネルギー密度を改善させる。

バイポーラ型全固体電池の概略図
モノポーラ構造の従来型電池の概略図(a)及びバイポーラ型全固体電池の概略図(b)


※ Nature Portfolioの記事(https://www.nature.com/articles/srep08869/figures/1)にエンヴィックスが追記

モノポーラ構造では外装を含む単電池(1 unit cell)をそれぞれ接続する必要があるが、バイポーラ構造では1 unit cellの外装と配線による接続が不要なので体積当たりのエネルギー密度を大幅に改善する事が出来る。

バイポーラ型全固体電池のEV用電池への応用
1台のEVには多数の単電池が必要で、例えばVW社のID.3は216個のLGエネルギーソリューション製のリチウムイオン電池を搭載している。このリチウムイオン電池はモノポーラ構造なので、216個の電池をそれぞれ接続しなければならない。バイポーラ構造では複数の単電池を電池内で直接接続して電圧を上げ、体積エネルギー密度を改善する事が出来る。体積エネルギー密度の改善により、EV内の電池スペースが小さくなり、工程簡略化によるコスト削減や車体重量の減少による電費改善が可能になる。
LGエネルギーソリューションの「バイポーラ型」全固体電池の開発に関する記事について、下記のURLより閲覧できる。
ソウル経済新聞2024年6月6日付記事(韓国語)
https://www.sedaily.com/NewsView/2DACZCFKPM

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