韓国最大手のEV用バッテリーメーカーのLGエネルギーソリューションは2024年12月3日、米国自動車メーカーのGMと「EV用角型バッテリーおよび主要材料の共同開発契約」を締結した事を発表した。両社は14年間続いてきた強固なバッテリー技術提携を延長し、将来GMの次世代EVに搭載されるEV用角型バッテリーと主要材料を共同で開発する。今回の角型バッテリーの開発計画の発表により、LGエネルギーソリューションはパウチ型、円筒型、角型という3つの主要なバッテリー形状(フォームファクター)全てを提供する世界初のEV用バッテリーメーカーとなる。LGエネルギーソリューションとGMが設立したUltium Cellsは、米国オハイオ州とテネシー州の工場で数千の雇用を創出しEV用バッテリーを生産している。
EV用角型バッテリーについて
EV用バッテリーには、主にパウチ型、円筒型、角型の3種類の形状がある。柔軟なパウチフィルムに電池素子を収納するパウチ型は、他の形状のバッテリーに比べサイズや形状の多様性に優れ、最初に開発された円筒型の形状は、ロール構造によりコストが安く、大量生産が容易で供給の安定性に優れている。
角型バッテリーは長方形の箱状の堅牢な筐体が特徴で外部衝撃に強く、バッテリーモジュールやパック内でのスペース効率の高いパッケージングが可能になる。LGエネルギーソリューションは、角型バッテリーのセル内部構造がロール形状から積層形状に移行している状況を鑑み、世界最高の積層形状製造技術を目指す。
GMホームページNewsより、角型バッテリーはEV の重量とコストを削減できると同時に、モジュールと部品の数を減らす事で製造工程を簡素化出来る。
LGエネルギーソリューションのEV用バッテリーについて
LGエナジーソリューションは、様々な長さと幅で製造出来るパウチ型のEV用バッテリーを米フォード等に供給しているが、北米市場での円筒型EV用バッテリーの需要増加を背景に2022年第2四半期から米国アリゾナ州Queen Creekに円筒型EV用バッテリー工場の建設を開始している。また、同社は2024年11月に米国自動車メーカーのRivianに、4695サイズの円筒形EV用バッテリーを5年以上に渡り供給する契約を締結した。
今回のEV用角型バッテリーの導入により、LGエナジーソリューションは製品ポートフォリオの拡大し、様々なEVセグメントの様々なニーズに対応する効率的で安全な電力ソリューションを提供し、世界的なEVの大量導入を支援することを目指す。
LGエナジーソリューションとGMの「EV用角型バッテリーおよび主要材料の共同開発契約」について、下記のURLより閲覧できる。
LGエナジーソリューションホームページPress Releases
https://news.lgensol.com/company-news/press-releases/3436/
GMホームページNews
https://news.gm.com/home.detail.html/Pages/news/us/en/2024/dec/1202-lgenergy.html
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