エジプト政府、国内でのEV生産目指して企業誘致へ、特別委員会を設置

エジプト政府が、小型EVとEVバスを中心とした国内でのEV生産を目指してメーカーの誘致を進めていくうえで、特別委員会を設置した。

 

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エジプト政府が電気自動車(EV)産業への関心を高めている。アブドルファッターフ・シーシー大統領は、自動車メーカーからの小型EVとEVバス市場の発展に関する提案をめぐり、交渉戦略を立てるための特別委員会の設置をモスタファ・マドゥーリー首相に要請し、これを受けて同首相は2019年4月3日に国防省、地方開発省、通商産業省、公共事業省、運輸省、石油・エネルギー省、高等教育省、内務省、観光省、アラブ工業化機構(AOI)、エジプト産業連盟(FEI)の代表から成る特別委員会の初会合を開催した。

 

同会合においては、エジプトにおいて小型EV・EVバス産業を確立するための政府戦略のほか、ガソリン・ディーゼル車からEVに切り替えることによる経済的なリターン、ガソリン・ディーゼル車からの排出ガスの削減を通じた環境上の利益などについて協議がなされた。マドゥーリー首相は、「シーシー大統領はEVは自動車産業の将来であり、自国におけるEV産業の発展は極めて重要であると考えている。政府としては、EV産業にかかわるグローバル企業との協力を進めていく」と語った。

 

エジプトには、「東風汽車集団」と「Vasworld Power Corporation」のEV関連の中国企業2社が進出している。両社はエジプトのDarshal社と提携協力を結び、今後5300万米ドル(約59億円)規模のEV組立て工場を建設する予定である。手ごろな価格の小型EVを年間500~1000台程度生産するとともに、部品の製造も計画している。

 

電動スクーターの分野においても、動きが見られる。ポリウレタン産業を専門とするTredco社は、3000万エジプト・ポンド(約1億9500万円)を投資して電動スクーターの組立て工場の建設を進めている。敷地面積1万5000平方メートルの工場で、今後数ヶ月後には米国ブランド「Glide」の生産が見込まれている。