エジプト産業貿易省が中国・東風汽車集団の代表者と会合を開き、同社が今後エジプトでEVを生産していく可能性を示唆した。
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エジプトのアムール・ナサール産業貿易相は2019年7月3日に声明を発表し、その中で電気自動車(EV)分野への投資にインセンティブを提供するプログラムを通じて同国の自動車産業を安定化させていく決意を示すとともに、中国の「東風汽車集団」がエジプトの政府機関やタクシー向けにEVを生産し、エジプト市場でのシェアを高め、将来的には欧州市場に輸出していくことを真剣に検討していると説明した。同声明の主要点は以下のとおり。
- 従来型の車が環境に及ぼす影響を低減するうえで、EV等のエコカーにシフトしていくのは世界的な傾向で、エジプト政府としてもこうした方向性に進むべきである。
- エジプト政府としては、国内EV市場の需要をまず満たし、多数諸国と締結されている貿易協定で定められた免税措置を通じて、アラブ、アフリカそして欧州の市場に輸出することを目指す。
- 「東風汽車集団」の代表者と会合を開いたが、同社とはEVの製造・組立ての分野で協力提携契約を結ぶ可能性がある。
なお、エジプトを訪問中の「東風汽車集団」の子会社「東風汽車股份有限公司」のLi Zhengrong副社長は、「エジプト市場を中東市場への軸、さらにはアフリカ大陸への重要な窓口になると考えている。我が社はEV、電気バス、旅客輸送用EVの製造で長年の経験を持っている。今後、エジプトにEVを輸出し、現地の気候条件に適合させるための改造を施す。」と語った。
エジプトは最近、様々な自動車メーカーから注目を浴びている。トヨタ自動車はカローラ・ハイブリッド車の販売を開始し、今後、他のハイブリッドモデルやMIRAIも市場投入したいと考えている。BMW社は、EVモデルの市場投入を検討している。