2021年8月5日、バイデン米大統領は、クリーンカーおよびトラックにおける国内市場の強化を図るための大統領令を発表した。米国がクリーンで効率的な自動車とトラックで世界をリードするために、2030年に販売される乗用車および小型トラックの新車の50%を、バッテリー式電気自動車、プラグイン・ハイブリッド式電気自動車、燃料電池式電気自動車を含むゼロエミッション車にするという目標を設定し、国内市場を強化する。明確な基準の設定、主要なインフラの拡張、重要な技術革新の促進、米国の自動車労働者への投資を優先することで、自動車部門のサプライチェーン全体を通じて、米国内で高給と高待遇の雇用を増やすことが可能になるとし、その結果、経済と公衆衛生の向上、エネルギー安全保障の強化、消費者の貯蓄の確保、環境正義の推進、気候危機への対処を推進していく。
【本大統領令の主な内容】
本大統領令で検討される主な内容は、次のとおりである。
- 2027年以降の小型車、中型車、特定大型車の複合汚染物質および燃費基準
(1)大気浄化法に基づき、温室効果ガスを含む新たな複合汚染物質の排出基準を、小型および中型車両について、2027年モデル車から少なくとも2030年モデル車までの間に制定するための規則制定作業を開始。
(2)2007年エネルギー独立安全保障法(EISA)に基づき、2027年モデル車から少なくとも2030年モデル車を含む乗用車および小型トラックの新たな燃費基準を設定するための規則制定作業を開始。
(3)2028年モデル車から少なくとも2030年モデル車を含む、大型ピックアップトラックおよびバンの新しい燃費基準を設定するために、EISAに基づく規則制定の作業を開始。
- 2027 年以降の大型エンジンおよび車両の複数汚染物質基準
(1)2027年モデル車から始まり、少なくとも2030年モデル車を含む、大型エンジンおよび車両に対する新たな窒素酸化物基準を設定するための大気浄化法に基づく規則制定作業を開始。
(2)大型エンジンおよび車両に対する既存の温室効果ガス排出基準を、2027年モデル車から始まり、少なくとも2029年モデル車を含む期間で更新。
- 2030 年以降の中型・大型エンジン、車両の温室効果ガスおよび燃料効率の基準
(1)2030年モデル車から始まる大型エンジンおよび車両の新たな温室効果ガス排出基準を設定するために、大気浄化法に基づく規則制定の作業を開始。
(2)2030年モデル車に開始する中型・大型エンジンおよび車両の新たな燃料効率基準を設定するために、EISAに基づく規則制定の作業を開始。
【今後の予定】
・2022年1月までに、規則制定案通知を発表。
・2022年12月までに、最終規則制定を発表することを検討。
・2024年7月までに、あらゆる最終規則制定案を発表することを検討。
【参考情報】
Executive Order on Strengthening American Leadership in Clean Cars and Trucks