スイス、電気自動車の比率を2020年までに15%に引き上げ――官民で合意締結

スイスの自動車、電力、不動産、各種乗り物産業界の代表者と、連邦、州、都市、市町村の代表者が2018年12月18日、電気移動を促進するための共同の「電気移動ロードマップ2020」に署名した(以下のURLにロードマップ)。

https://www.newsd.admin.ch/newsd/message/attachments/55160.pdf

このロードマップの目的は、新車登録台数に占める電気自動車(純粋な電気自動車+プラグインハイブリッド車)の割合を、2022年までに15%まで引き上げることにある(現在は2.7%)。以下のさまざまな官民あげての取り組みが2019年1月から開始される。

スイス自動車輸入組合(auto-schweiz)はすでに、2020年までに10%を達成したい、と発表していた。今回のロードマップはこの取り組みを一歩前に進めるものである。

 

  • 目標達成のための具体的な対策

ロードマップには、次の3つの優先的行動分野で講じる対策が盛り込まれている。

  • 電気自動車市場の円滑な成熟化
  • 事業用自動車(ロードマップで中核的な役割担う;電気配達車等の普及を加速)
  • Eカーシェアリング(電気移動の世界への、敷居の低い理想的な入口と位置づけ る)
  • 試し乗り(電気自動車を多くの人に試乗させる機会を増やす)
  • 展示会(毎年約70万人が訪れるジュネーブ自動車サロンを活用する)
  • 最適な充電インフラの構築
  • 住宅での充電機会の創出(標準接続CEE16用のスマートアダプタの整備等)
  • 電気自動車用の全国急速充電ネットワークの構築(国道沿いの合計100カ所のパーキングエリアに設置。あわせて充電所の交通標識も随所に設置)
  • 職場や道端街灯での充電インフラの整備
  • 充電インフラの標準化、規格作りと調整
  • インセンティブ&枠組み条件の整備
  • 電気移動に関する環境関連データを、環境庁が収集整理しユーザーに提供
  • 充電インフラ設備の設置と保守点検を担当する専門要員の研修と資格認定制度
  • 電気自動車導入に関する情報の提供と助言、プロモーション
  • 電気自動車の研究事業、パイロット事業、実証事業への補助
  • 電気自動車税導入の先送り(電気自動車の市場浸透が際立って増えるまで)
  • グリーンゾーン(電気自動車向けの緑枠の優先駐車・充電スペース)の導入

自動車教習所での電気自動車の活用(免許証に「AT車限定」との記載がなくなる)