フランス環境連帯移行省(環境省)は2019年1月24日、2018年1月に開始された「フランス・モビリティ(注)運動」の進捗状況を報告するとともに、同日付で同運動の行動計画を発表した。行動計画本体は下記のアドレスから入手可能である。
「フランス・モビリティ運動」の目的は、フランス全土における革新的な移動手段の試験運用、開発及び普及を支援することである。この運動では、あらゆるアクター(地方自治体、在来の企業、スタートアップ企業、各種団体等)に門戸が開かれており、相乗り、カーシェアリングあるいは(個人用乗用車を代替する輸送手段がない地域を対象とする)オンデマンド輸送といった移動手段の拡充が目指されている。「フランス・モビリティ運動」では2018年1月以降、次のような具体的な取り組みがなされてきた。
- 環境省における単一の窓口となる運動の促進者(ファシリテーター)の任命
- 企業等と地元との仲立ちとなる共同プラットフォームの構築
- 過疎地域のための革新的移動手段の実現に向けた支援体制の構築
- イノベーションとモビリティとの共通文化の創設
- 革新的な公共購入の促進
- フランス全土のモビリティに係わるイノベーション開発支援のための資金調達計画の策定
エリザベット・ボルヌ(Elisabeth Borne)国務大臣・環境連帯移行大臣付交通担当大臣は「フランス・モビリティの行動計画は当初より、関連アクターのために、また関連アクターと共同で策定された。一年前に開始されたこの運動は、今ではしっかりと定着している。行動計画の施策を一つひとつ段階的に実施していくにつれ、この取り組みは勢いを増し、目に見える成果を上げていくであろう」とコメントしている。
環境省は同日、“持続可能な新モビリティの試験運用地域”プロジェクトの第2次公募により新たに27のプロジェクトが採用されたことも明らかにした。同省は近々、第3次公募を実施する方針である。
(注)モビリティ(英mobility/仏mobilité)は一般に「移動手段」を意味するが、この場合は特に「公共交通機関等の多様な移動手段を活用することにより、個人的にも社会全体としても望ましい状態へと移行することを促す施策(モビリティ・マネジメント)」の意である。