仏ストラスブール大都市圏、2028年よりディーゼル車の通行完全禁止へ

フランスのストラスブール市等33自治体で構成されるストラスブール大都市圏は、2022年1月から「低排出ゾーン」(ZFE)を設定して、2028年からディーゼル車の通行を完全禁止する決定を下した。同決定は、2021年7月12日に予定されている市議会にて決議される見通しである。今回の決定事項の概要は以下のとおり。

 

  • 2022年よりZEFを設定していくが、Crit’Airに準じた車両の通行禁止を段階的にする。ZEFの設定にあたっては、18歳未満に対する公共交通機関の無料化、電気自転車購入補助金、自転車道路や市電網の600kmの拡張、低所得者層向けの電気自動車購入補助金、などの措置が講じられる。
通行禁止開始時期 対象車両 罰金導入時期
2022年1月1日 Crit’Air 5 2023年1月1日
2023年1月1日 Crit’Air 4 2025年1月1日
2024年1月1日 Crit’Air 3 2027年1月1日
2025年1月1日 Crit’Air 2 2028年1月1日
  • 商用車、大型車(トラック、長距離バス、市内バス)については、2028年1月1日からは電気、燃料電池あるいはプラグインハイブリッドタイプの車両でなければならない。
  • 自動二輪車及び原動機付自転車については、2028年1月1日からは、新車登録がそれぞれ2017年1月1日、2018年1月1日以前の二輪車の通行は禁止される。
  • 今後2028年までにおよそ13万5000台の車両が通行禁止対象になると推定されている。ストラスブール大都市圏における大気汚染レベル、とくに自動車から排出される窒素酸化物(NOx)と微小粒子状物質「5」による汚染は世界保健機構(WHO)の勧告値を上回っており、毎年500人の早期死亡をもたらしている。

 

【解説】Crit’Air:車両の大気汚染物質の排出の程度に従い6段階に分類して示したステッカーで、パリ市においては2017年1月16日よりステッカーの貼付が義務化されたが、ストラスブール市においては2022年1月1日より義務化される予定。大気汚染時の交通規制区域においては、ステッカーの種類に従い通行が許可される。