仏環境省、エネルギー多年度計画に沿ったEV普及台数目標等を含む政令案を発表

フランスで「エネルギー多年度計画」(PPE)の法制化が進められており、仏環境連帯移行省はこのほど、EVの普及台数とEV向け充電設備整備等の目標を含む政令案を発表した。

 

 

 

フランスでは2019年1月末に「エネルギー多年度計画」(PPE)が発表され、現在その法制化が進められているが、仏環境連帯移行省はこのほど、電気自動車(EV)の普及台数やEV向け充電設備等の整備の目標等を含む政令案の内容を明らかにした。

 

PPEは2015年8月に可決されたエネルギー移行法の柱の一つで、温室ガス効果ガスの排出削減、エネルギー消費削減、再生可能エネルギー開発などの分野における長期目標を定めることを目的としている。2019~2023年と2024~2028年の2段階から成り、2050年までにフランスが完全な脱炭素化を目指すことが念頭に、5年毎に見直されることになっている。具体的な内容としては、温室効果ガスの排出量を2016年比30%減、2020年までに化石燃料消費量を2012年比35%減、再生可能エネルギー発電容量を2018年比100%増とする目標や、2023年までに住宅30万戸を電化リノベーションし、大気汚染源である化石燃料車から車両60万台以上をEVへの転換を図る施策が含まれている。2028年までに総エネルギー消費量を14%低減し、2035年までに電源構成の多様化と原子力発電の割合を50%まで低減する目標も定めれた。

 

今回発表された政令案においては、PPEにおける2023年末及び2028年末時点のEVとプラグインハイブリッド車(PHEV)の普及目標台数が取り上げられた。なお、PPEにおいては、大型低公害車の定義が3.5トン以上とされ、電気、水素あるいはガスを燃料とする車両という規定がなされていたが、政令案においてはこれが削除され、曖昧な要素が残された。

 

政令案における自動車の電化目標

2023年末時点 2028年末時点
EV(個人車) 660 000 3 000 000
PHEV(個人車) 500 000 1 800 000
EV及びPHEV(商用車) 170 000 500 000
大型低公害車 21 000 65 000

また、EV向け充電設備と水素ステーションの整備目標は以下のとおりで、公共充電器の整備数については、電気などの代替燃料インフラの整備に関する2014年10月22日付き欧州指令2014/94/EU の規定に沿った目標となっている。

政令案における充電設備の整備目標

2023年末時点 2028年末時点
EV及びPHEV向け公共充電器 10万台
水素ステーション 100箇所 400~1000箇所