オランダ内閣が2019年1月25日、10月1日からガソリンスタンド給油設備の半分以上をE10ガソリン給油専用に切り替える環境大臣提出案を閣議了解した、と発表した(以下のURLに同省のプレスリリース)。
給油設備を2つ以上設置しているガソリンスタンドに対し、少なくともその半数以上で、植物由来のバイオエタノール10%混合ガソリン(E10)を提供するよう義務づける。残りの半数未満の給油設備では、引き続きE10以外のタイプのガソリンを提供することができる。1つのタイプの給油設備しかないガソリンスタンドの場合は、どの燃料を提供するかを自主的に選択できる。これによって、オランダのドライバーは10月1日から、より多くのガソリンスタンドで、よりグリーンなガソリンを給油できるようになる。今回の提案は、インフラ・水管理省のS・ファン・フェルトホーフェン大臣が閣議に提出した。
オランダの現連立政権は、2030年までにすべての新車をゼロ排出車にする、との目標を連立協定書に盛り込んでいる。E10の利用機会が増えると、化石燃料分の少ない燃料を消費することになるため、わざわざクリーン車に買い替えなくとも、すでに所有している自動車がよりクリーンなものに変わる。
インフラ・水管理省は2019年後半に、消費者団体、自動車整備工場、自動車メーカー等の協力を得て、情報提供キャンペーンを展開し、E10を使ったドライブについてドライバーの意識啓発に取り組む予定である。
すでにオランダの大半のガソリンスタンドでは、おもにE5ガソリンを提供している。このガソリンは最大5%のバイオエタノールを含有している。全部ではないが、多くのオランダの自動車はすでに、E10ガソリンに対応できる状態にある。
EU諸国は、2020年時点で運輸部門が使用する全燃料の最低10%を、バイオ燃料など代替燃料で賄うことで合意している。そのため、ガソリンスタンドに燃料を供給している企業は、少量のバイオ燃料をガソリンや軽油に混ぜている。バイオエタノール(E85)も販売されている。これは最大85%のエタノールと最低15%のガソリンの混合燃料であり、改造車で使われている。オランダでは、E85 で走行可能な自動車を、一部の自動車メーカーが提供している。