オランダのインフラ水管理省が2019年12月30日、環境ゾーンを設定している地方自治体に2020年1月1日から国のルールを一律適用すると発表した(下記URLに同省のプレスリリース)。
さらに2020年1月1日施行の次のような環境関連法の改正により、従業員に「会社の自転車」をより簡単にリースできるようになっただけでなく、ターゲットグループ搬送用の電動バンの購入も税制面で魅力的になったという。
- 環境ゾーン規制の一律化
環境ゾーンを設定している地方自治体に、2020年1月1日から国のルールを一律適用する。オランダの地方自治体は環境ゾーンで、ひどい大気汚染を引き起こす古いディーゼル車、トラック、バスの進入を禁止することが認められている。地方自治体は2019年12月31日まで、環境ゾーンに関して独自のルールをさまざまに運用していた。これを 2020年1月1日から10月29日までに、国のルールに合わせて改正する。
- 業務用自転車のリースの促進
「業務用自転車」をめぐる税制も変わりつつある。企業の雇用主は、定額税による簡単な取り決めを通じて、従業員に会社の自転車を貸し出して利益を得られるようになった。小規模事業者や自営業者もこのスキームを活用できる。
(3) 環境投資控除・任意減価償却環境投資制度(MIA VAMIL)の積み増し
オランダ政府は、事業者が環境や気候に優しいテクノロジーに投資するように奨励するため、2020年度に追加予算を配賦することにした。企業は、MIA VAMILスキームを通じて、税制上の優遇措置を受けることができる。MIA-VAMILの2020年度予算は、合計1億4,900万ユーロ(約162億円)となる。これは、2019年度よりも1,000万ユーロ多い。政府は2020年に、循環型経済の分野での取り組みにも、追加予算を配賦する。また、持続可能な輸送も優先リストの上位にある。たとえば、2020年にターゲットグループ搬送用の電動バンの購入が非常に魅力的となった。企業は条件を満たせば、バンの購入価格の36%を営業利益税から控除できる。2019年は27%であった。
(4) 全省庁の公務フライトがバイオ燃料に
オランダのすべての省庁が2020年1月1日から、「KLMオランダ航空コーポレートバイオ燃料プログラム(CBP)」に参加する。KLMを使ったすべての公務フライトをバイオ燃料で運航する。KLMのCBPの参加者は、バイオ燃料と従来のケロシン燃料の差額を埋めるため追加料金を支払う。この追加料金で、持続可能な燃料を購入する。なお、インフラ水管理省は2016年10月からCBPのメンバーになっている。