アムステルダム市当局、2030年までに内燃機関自動車の市内乗り入れを禁止する意向

オランダの首都アムステルダム市当局は2019年5月2日、2030年以降、すべてのガソリン車とディーゼル車を市内から締め出す内容を含む、「クリーンエア・アクションプラン」(英:Clean Air Action Plan、オランダ語:Actieplan Schone Lucht)を発表した。同アクションプランが成立するには、まだこれから市議会での審議などの手続きが必要である。原文(オランダ語のみ、50ページ、PDFファイル)は、以下の市当局サイトでダウンロードすることができる。

https://www.amsterdam.nl/bestuur-organisatie/volg-beleid/duurzaamheid-energie/schone-lucht/

 

同アクションプランでは、向こう10年間にわたって、以下の要領でガソリン車とディーゼル車の市内乗り入れを段階的に制限していくことが予定されている。

  • 2020年以降:Euro 4より古いディーゼル車(車齢15年以上)を対象として、A10環状道路内側のゾーン(下図イエロー表示部)への乗り入れを禁止する。
  • 2022年以降:市中心エリア(下図ブルー表示部)を運行するすべての公共バス・コーチは、エミッションフリーでなければならない。また、同エリアに乗り入れる、公共バス・コーチ以外の車両は、最低でもEuro 6に適合していなければならない。
  • 2025年以降:エミッションフリーゾーンをA10環状道路まで拡大すると共に、対象車両の種類も、トラック、小型商用車、タクシー、そして一部の小型バイクを含むように拡大する。また、プレジャーボートと公共輸送フェリーもゼロエミッションとする。
  • 2030年まで:乗用車ならびに二輪車を含め、エミッションフリーではないすべての自動車を対象に、市街地全域(下図グリーン表示部)への乗り入れを禁止する。

(出所:Actieplan Schone Lucht 13ページ)

 

このほか、同アクションプランには、一般ユーザーや企業を対象とした、電気自動車(EV)への買い替えを容易にするための補助金や例外措置に関する詳細も含まれている。さらにEV向け充電インフラ網拡充を目的とした投資拡大も盛り込まれている。なお、水素燃料自動車については、実行可能な代替技術として言及されてはいるものの、水素供給ステーションを対象とした投資に関する記述はない。

 

今後の展開とスケジュール

「クリーンエア・アクションプラン」は、今月末から市議会の審議に付された後、6週間のパブリックコメント提出期間が設けられることになっている。