韓国産業通商資源部は2019年1月中旬、水素自動車と燃料電池を両軸にする水素経済産業を戦略的投資分野と選定し、2040年までに水素経済を活性化させるための「水素経済活性化ロードマップ」を策定したと発表した。主な内容は下記の通り。
- 水素燃料電池自動車の普及及びインフラ構築
2022年までに8.1万台(国内6.5万台)、2040年までに620万台(290万台)の水素乗用車を生産すると共に、全国1200ヶ所に水素燃料供給施設を構築する。当局の発表によると、2018年末時点では、国内に普及している水素燃料電池自動車(以下、水素自動車)は累計889台で、輸出分が約900台と合計1800台を生産しているが、2019年度には年間で4000台以上を追加普及する予定である。政府は、年間10万台以上の量産体系を構築し、水素自動車の価格を2025年には内燃機関自動車の水準へ合わせる計画である。
2019年度は、新規水素自動車を4000台以上普及するために、公共部門のバスを水素バスに転換する政策と、ソウルで水素タクシーを運用するパイロット事業を推進することが決まっている。
2021年には、水素トラックを導入し、物流や掃除自動車などの領域まで、水素自動車の利用を拡大する方針である。
- 水素生産の拡大
天然ガスの供給網に大規模の水素生産基地を構築し、水素抽出機器の国産化を図るためにR&Dを推進する。2022年まで大規模太陽光、風力発電と連携し、水素の大量生産を推進する。
また、海外でも水素生産拠点を構築すると共に、水素を輸入することで、水素の需給バランスを維持し、価格を安定させる予定である。
具体的には、現在2018年時点で水素生産量が13万トンと集計されているが、2040年には526万トンまで生産量を拡大し、水素の価格は3,000ウォン(約300円)/kg以下になるよう調整する方針である。
- 水素の安全性確保、流通体系の確立を図るために必要な法律制定
水素の需要の増加に合わせて、高圧気体の貯蔵と保存に関する規制を緩和し、貯蔵方式の多様化と効率化を図る方針である。短期的には、水素の需要が多い場所にパイプラインを建設して水素の運送費用を削減し、長期的には全国を繋げる水素配管施設を建設する。
水素の安全管理については、関連する法令を制定し、国際基準に合わせて安全基準を制定及び改定する。
産業通商資源部は、2019年内に、水素経済産業を支援するための法的根拠を規定する「水素経済法(仮)」を制定し、具体的に水素経済産業を支援するための準備を整える予定であると説明した。
この記事の原文は、下記の産業通商資源部のサイトで閲覧することができる。
http://www.motie.go.kr/motie/ne/presse/press2/bbs/bbsView.do?bbs_cd_n=81&bbs_seq_n=161262