自動車排出リコール業務を規範化し、環境の保護と改善を図り、人の健康を保障するために、「中華人民共和国大気汚染防止法」などの法律法規に基づき、市場監督管理総局と生態環境部は共同で「自動車排出リコール管理規定」(以下、「規定」と略称)を制定し、2021年4月27日に公布した。「規定」は計34条構成で、主な内容には適用範囲、基本概念、管理監督システムおよび職責分担、生産者と経営者の義務、リコール管理手続き、法的責任と信用管理などが含まれる。同「規定」は2021年7月1日より施行される。
一、自動車排出リコールとは
排出リコールとは、自動車生産者が対策を講じて自動車の排出による被害を取り除く活動を指す。本規定でいう排出被害とは、設計・生産上の欠陥、または規定の環境保護耐久性要求を満たしていないことにより、同一ロット、同一型式もしくは同一類別の自動車において、大気汚染物質排出の国家標準を満たしていない状況が全面的に存在する場合を指す。
排出被害が存在する場合、自動車生産者はリコールを実施しなければならない。外国車の輸入業者も本規定でいう自動車生産者とみなされる。
二、「規定」の適用範囲
「大気汚染防止法」では、環境保護リコールの適用範囲には、自動車と非道路移動機械も含まれると規定している。GB 7258「自動車運行安全技術条件」によると、自動車類には自動車、ロードトレイン、オートバイ、トラクター輸送ユニット、ホイール式専用機械、トレーラーなどが含まれる。GB 20891「非道路移動機械用ディーゼルエンジン排ガス汚染物質排出制限値およびその測定方法」によると、非道路移動機械類には、建設機械、農業機械、林業機械、材料積み卸し機械、空港地上勤務設備などが含まれる。
三、自動車生産者がリコールを実施すべき排出被害は下記の3種類に分けられる
- 設計・生産上の欠陥などによって、自動車の排出する大気汚染物質が基準値を超えている場合。
- 規定の環境保護耐久性要求を満たしていないことにより、自動車の排出する大気汚染物質が基準値を超えている場合。
- 設計・生産上の原因により、その他の排出標準への不適合、または不適切な排出が自動車に存在する場合。
「規定」第14条によれば、生態環境部の大気汚染防止監督検査により、自動車の排出による被害の恐れが判明した場合、市場監督管理総局は生態環境部と共同で自動車生産者に対して調査を実施し、さらに必要な場合、排出部品の生産者に対する調査も実施する。
同「規定」では法的責任の履行が強化されている。「規定」の関連義務に違反した自動車生産者または経営者に対しては、「市場監督管理部門により是正を命じ、3万元(約51万円)以下の罰金を科す」と規定している。
上記「規定」の中国語原文は、以下の生態環境部ウェブサイトで閲覧できる。
https://www.mee.gov.cn/xxgk2018/xxgk/xxgk10/202105/t20210520_833740.html