インド、使用済み自動車に関するガイドラインを定めた自動車業界規格の改正案を発表

インドで、2021年6月16日、「自動車業界規格AIS-129:使用済み自動車(ELVs)の規定に関するガイドライン(AUTOMOTIVE INDUSTRY STANDARD-129 Guidelines on Provisions for End of Life Vehicles)」案が公開され、30日間の意見募集を行っている。インドでは、2021年3月に、廃車業務を担う登録自動車解体施設(RVSF)の要件や、車両の廃車手順などを規定した「自動車(自動車解体施設の登録および機能)規則」案が発表されている。本改正規格案は、この規則案を実施するために、パート1(ELVsの回収及び解体)を置き換えるもので、RVSFの設立手順等を定めている。

本改正規格案に対する意見は、以下のアドレス宛に送付することができる。
comments-morth@gov.in

 

また、本改正規格案の原文は、以下のURLから取得できる。
https://morth.nic.in/sites/default/files/ASI/AIS-129%20Provision%20for%20end%20of%20life%20vehicles.pdf

 

 

本改正規格案の概要は以下の通りである。なお、これらの規定内容は「自動車(自動車解体施設の登録および機能)規則」案に準拠している。

 

  1. 適用範囲

すべての自動車を対象とし、自動車の最終登録所有者、自動車収集センター、自動車解体事業者、解体・リサイクル施設およびリサイクル事業者に適用される。

 

  1. 用語の定義
  • RVSF:本規定に基づき発行された登録証を保持し、解体、スクラップを行う施設。
  • 登録解体事業者:RVSFを所有および運営する個人や企業、団体、トラストなど。

 

  1. RVSFの資格要件

法人設立認可証、有効な物品・サービス税(GST)、有効な納税者番号(PAN)に関する書類を保持する、あらゆる法人(企業、団体、トラストなど)や個人が、RVSFを所有・運営できる。

 

  1. RVSFの登録および更新

本規格の書式1、または州の指定登録機関や連邦直轄領政府の所定の書式を使用して登録の申請を行う。登録は10年間有効で、その後は、本規格や本規格の第14条で規定された関連法を順守していれば、更新時、登録期限を10年間延長することができる。

 

  1. 登録解体事業者およびRVSFの責務

登録解体事業者およびRVSFの主な責務は、以下の通りである。

  • 自動車登録データベース「VAHAN」にアクセスし、適切な自動車廃棄登録を行い、譲渡証明書(Certificate of Deposit)や廃車証明書を発行する。
  • 廃車前に、国家犯罪記録局や地方警察の盗難車データベースで自動車の記録を照合する。
  • 廃棄する自動車の所有者または代理人について本人確認を行い、最低6か月間はその写しを保持する。
  • RVSFの稼働開始から12か月以内に、ISO9001、ISO14001およびISO45001を取得する。
  • 必要な処理を終えた後、切り離したシャーシの写真を含む電子廃車証明書を発行し、「VAHAN」にアップロードする。加えて、州または連邦直轄領政府の所轄当局に記録のアップロードを通知する。
  • 監視カメラを解体ヤード及び受付エリアなどに設置し、解体の記録を3か月間保存する。
  • 自動車またはスクラップの取引記録、リサイクル事業者への責任ある廃棄に関する記録、及びRVSF内のすべての機器等に関する記録を保持し、登録機関や州または連邦直轄領政府の担当官が検査可能な状態にしておく。

 

  1. 廃車基準

例えば、登録証明書を更新していない自動車や、車検証が交付されていない自動車、およびあらゆる災害で損傷した自動車などが廃車の対象となる。

 

  1. 監査

RVSFの監査は2年ごとに実施され、その報告書は、5月31日(当該会計年度終了から2か月以内)までにVAHANのポータルサイトにアップロードされる。