韓国の文政権は2019年2月上旬、電気自動車と水素燃料電池自動車を、文政権が推進している「規制サンドボックス制度」の対象として含める方針を明らかにした。規制サンドボックスとは、事業者が新たな製品やサービスモデルに限り、一定期間において既存の規制を免除または猶予する制度であり、文政権が導入しようとする規制緩和政策の核心部分である。具体的には、製品とサービスを試験又は検証する際に、制限地域において規制を免除する場合と、一時的に市販を許容する場合がある。
産業通商資源部によると、この規制サンドボックス制度には「電気自動車の充電支援用課金型コンセント」が含まれている。韓国では、既存の「電気事業法」に基づき、電気の販売が可能な事業者は韓国電力などと、法律の制限を受けている。これは、法律で定めている事業者でないと、電気自動車の充電用電気を販売することができないことを意味する。こうした状況の下、文政権は、電気自動車の充電事業者の事業範囲を再解釈し、課金体系を変更する形で、電気販売者に対する規制を緩和する計画である。
産業通商資源部は、水素燃料電池自動車も本制度の対象に含まれる予定であると説明し、さらに水素燃料供給施設の設置を容易にするため、関連する法令を改定し、設置制限を緩和する法案を検討すると述べた。
又、水素燃料供給施設の場合、民間の参与を一層誘導するため、燃料供給施設事業が経済性を確保できるまで、設置補助金を政府が支援すると共に、施設の運用補助金を支給する方案も検討すると説明している。
政府は、規制サンドボックス制度を通じて、まずは都心地と公共施設などに燃料供給施設を構築していく予定である。
一方、韓国政府は公共部門が購入する車両のうち、エコカーで購入しなければならない比率を100%へ引き上げると発表した。政府は、「首都圏大気環境改善に関する特別法」の施行規則を改定し、2020年1月1日から本制度を実施する方針であると述べた。