フランス電力と米Nuvve社の合弁会社、仏国で電気自動車によるV2G事業の展開へ

フランス電力(EDF)は2019年5月20日、米カリフォルニア州のスタートアップ企業Nuvveと合弁会社Dreevを設立したことを発表した。Nuvve社は電気自動車から電力系統へ電気を供給するV2G(Vehicle-to-Grid)事業を米国で展開している。今後、新会社DreevがフランスにおいてV2G事業を推進することになる。

 

電気自動車は、車載蓄電池を活用することにより、電力需要のピーク時に余剰電力を電力系統に供給し、再生可能エネルギーの出力変動調整に貢献することができる。また、EDFによる余剰電力の買い取り価格は際立って高いわけではないが、それでも電気自動車の燃料費(電気代)を賄うことは可能である。なお、電気自動車の燃料費は平均約250ユーロ(約3万円)であり、ガソリン車の燃料費の5分の1である。

 

Dreev社はすでに、フランス南西部のボルドー地方を拠点とするHotravail社の敷地内にV2Gのターミナルを3カ所設置しており、さらに西部ヴィエンヌ県にあるシヴォー原子力発電所サイト内に6カ所のターミナルを設置する予定である。同社は今後、企業と地方自治体を対象にV2G事業のセールス活動を展開していくが、大手企業だけでなく中小企業もターゲットとする方針であり、さらに2年以内に個人顧客の開拓にも着手することを検討している。

 

なお、EDFはルノー社と共同で、近々、仏領レユニオン島において150台の電気自動車を用いたスマートチャージの試験を開始する。スマートチャージは、電気自動車の充電あるいは放電を最適化する技術である。スマートチャージの商業化については、充電インフラに特化したEDFの100%子会社であるIziviaが主に担当する。