2017年に国産EVの開発計画「国民車計画」を発表したトルコ政府が2022年の商業化を目指してEV開発を進めている。
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トルコのレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、2017年11月に国産の電気自動車(EV)の開発を進める「国民車計画」を発表し、翌2018年にはアナドル・グループ(Anadolu Group)、BMC、クラチャ・ホールディング(Kiraca Holding)、テュルクセル(Turkcell)、ゾルル・ホールディング(Zorlu Holding)の大手5社がコンソーシアム「トルコ自動車イニシアチブグループ」(Turkey’s Automobile Initiative Group)を形成させた。
同国のムスタファ・ワランク産業技術大臣はこのほど、「我が国は他国に対抗できるようなEVを開発中である。これは単なる自動車計画ではなく、我が国の自動車産業全体を変革し、世界的な競争力を高める技術計画である」と語った。
同相によると、国産EVのプロトタイプが2019年末に発表され、商業化されるのは2022年になる。
「国民車計画」の最初のステップは、今後15年でEVモデル5種を“世界競争力のある価格”で市場投入することである。最初のモデルの航続距離は500kmと言われており、小型車ではないと推測される。
トルコには自動車工場が複数存在し、自動車は同国にとって重要な産業であるが、外国ブランドの輸出が主軸となっている。「国民車計画」を進めるコンソーシアムの5社のうち、2社は自動車の組立てで経験を有する。
アナドル・グループは数十年前からトラック、ピックアップ及びバスをいすゞ向けに生産している。トルコとカタールの合弁会社BMCは、トルコ向け商用車の大手メーカーである。テュルクセルは携帯電話会社の最大手で、ゾルル・ホールディングとクラチャ・ホールディングは資金面を支援している。
コンソーシアムを率いるのは、ボッシュ社で電動部門の責任者を務めていたMehmet Gürcan Karakas氏で、現在、エンジニア、デザイナー及びテクニシャンから成る40人のチームが存在するが、同チームは年末までに300人に増員される予定である。