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欧州環境庁「経済的手法によるエミッション削減効果が高いのは、低排出ガソリン/ディーゼル車よりも電動車」

欧州連合(EU)の専門機関である欧州環境庁(EEA:European Environmental Agency)は2019年9月24日、『経済的手法によるエミッション削減効果が高いのは、低排出ガソリン/ディーゼル車よりも電動車』と題する資料(以下(1))を発表した。同資料は、EEA内に設置されている「大気汚染、交通、騒音ならびに産業汚染に関する欧州トピックセンター(ETC/ANTI))」が発行した調査研究報告書『エミッションベースの自動車課税制度の効果』(以下(2))を要約したものである。

 

  • “Fiscal instruments favouring electric over conventional cars are greener”

英語、6ページ、原文は以下のURLで閲覧可能

https://www.eea.europa.eu/themes/transport/electric-vehicles/taxes-and-incentives-promoting-electric

  • “The impact of vehicle taxations system on vehicle emissions“

英語、60ページ、原文は以下のURLでダウンロード可能

https://www.eionet.europa.eu/etcs/etc-atni/products/etc-atni-reports/etc-atni-report-12-2019-the-impact-of-vehicle-taxations-system-on-vehicle-emissions

 

本研究の概要

  • 目的:低排出車の普及促進を目的とした、税や補助金などの経済的手法が及ぼす、実際の(リアルワールドの)二酸化炭素(CO2)、窒素酸化物(NOx)、そして粒子状物質(PM)排出量への定量的効果の調査
  • 対象国:欧州7か国(オランダ、ギリシャ、ノルウェー、ドイツ、ポーランド、フランス、アイルランド)。その経済的手法において異なるアプローチが採用されているため、比較分析がしやすいという理由で選出された。
  • 対象期間:2010~2017年
  • 対象車両:乗用車(新車)

 

本研究の主な所見

  • 適切な金銭的インセンティブや税制上の措置を通して、純粋な電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド自動車(PHEV)などのゼロ/低エミッション自動車を積極的に促進している国(ノルウェーやオランダなど)では、CO2排出量が大幅に減少した。
  • これらの国々では、電動車の普及に伴い、CO2だけでなくNOxやPMの排出量も減少している。
  • これに比べると、『よりクリーン』と銘打った、低排出(改良型)ガソリン/ディーゼル車向け優遇税制による、実際のエミッション削減効果は不明瞭である。その理由は、そうした優遇税制が、リアルワールド排出量よりも低い値を示す、型式認証試験で用いられる排出量をベースにしているためである。これらの二つの値の乖離は2010~2017年の間、徐々に拡大しており、必然的に、低排出ガソリン/ディーゼル車向け優遇税制による実際のエミッション削減効果も弱まっている。

 

なお、本研究では、国別の比較分析に加えて、一国で生じた制度変更(例:2012年のギリシャにおけるディーゼル車解禁措置、2017年のオランダにおけるPHEV向けインセンティブ廃止など)と排出量の間の相関関係も特定されており、各国政府に向けて、長期的な自動車税政策の策定に際しては、慎重を期すことを促している。