ドイツ連邦経済省が2020年6月30日、乗用車エネルギー消費ラベル令に関する公告をドイツ連邦官報第2部で公示した(下記URL)。
ドイツの「新規乗用車の燃料消費量、CO2排出量及び電力消費量に関する消費者情報に関する政令(乗用車エネルギー消費ラベル令)」(最終改正2020年6月26日)では、乗用車のCO2排出量に関して、A+からGまで8段階のエネルギー効率クラスを設定している。ただし、暦年登録車の5%が次の上位クラスであるA++やA+++の基準の双方、またはいずれかを満たしていれば、そのような上位クラスのラベルを新設することとしている(5%基準ルール)。同省によると、2019年度の実績は次のとおりであり、この5%基準をどちらも達成できなかった。したがって2020年10月1日から1年間、A++とA+++のCO2効率クラスを設定しないことにした。
ドイツ連邦自動車庁によると、2019年度の新規登録車の総数は338万4,435台である。CO2効率クラスの分布状況は次のとおりであった。
A+++ | A++ | A+ | A | |
台 数 | 10万1,497台 | 3万1,936台 | 17万149台 | 72万1,126台 |
シェア | 3.0% | 0.9% | 5.0% | 21.3% |
乗用車エネルギー消費ラベル令によると、自動車ごとのCO2排出量の基準値は、次の式によって求める。
基準値(グラムCO2/km)=36.59079 + a×M
M=走行準備のできた自動車の重量(kg)
a=0.08987
A++やA+++というCO2効率クラスを暦年ごとに設定するかどうかは、この基準値からの乖離率(下表)に基づき決定する。
(1)A++を設定する場合
CO2効率クラス | クラスの帯域;基準値からの乖離率 |
A++ | -46%以下 |
A+ | -45.99%~-37% |
(2)A+++を設定する場合
CO2効率クラス | クラスの帯域;基準値からの乖離率 |
A+++ | -55 %以下 |
A++ | -54.99%~-46% |