2020年2月12日、ブラジル上院の憲法・司法・市民権委員会(CCJ)は、法案2017年304号(PLS 304/2017)を承認した。ブラジル国内において、2030年1月1日以降、ガソリンやディーゼル燃料の新車の販売が禁止され、2040年1月1日以降、同車両の運行が禁止となる。本法案の背景として、ブラジルにおける電気自動車の普及があるが、一方で、化石燃料車の禁止はブラジル経済を悪化させるとする批判もある。
<PLS 304/2017の概要>
- 化石燃料車の代替に関する政策を規定し、化石燃料車の販売、運行を禁止する
- ブラジルの交通法規を規定する法律1997年9月23日付9503号の339条に以下の項目を追加する
- 339条-A:
2030年1月1日以降、バイオ燃料のみによる車両を除き、ブラジル国内における化石燃料エンジンの新車の販売を禁止する
- 339条-B:
2040年1月1日以降、ブラジル国内における339条-Aで規定された車両の運行を禁止する
収集車、大使館、国際機関などの外交用車両については、規制適用が除外され、ブラジル訪問中の外国人所有車両については、本法発効180日後まで適用が除外される
- 付表Iの用語の定義に、外部電源や蓄電池で駆動する電気自動車を追加する
- 本法は公布日に発効する
一方で、2月17日、Marcio Bittar上院議員は、議会において、「地球温暖化をもたらすCO2の主たる要因は化石燃料にあるということに根拠がない。化石燃料の新車の販売禁止によって、投資が減り雇用がなくなってブラジル経済が悪化する」として、本法案を批判した。
本件は以下のURLから参照できる。
https://legis.senado.leg.br/sdleg-getter/documento?dm=7152126&ts=1582227583976&disposition=inline